日常編94

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俺「ねえ、みお」 幼「しっ!」 どうしたのだろうかと思い、様子を伺う。 ああ、テレビドラマの大事な場面を観ているんだな。 母親も火曜サスペンス劇場とかの時はこうだったなあと苦笑いをし、立って待つのも疲れるからごろんと転がりみおの膝に頭を乗せた。 みおが俺の頭をなでてくれる。 俺「……」 幼「あーあの子、犯されちゃうね」 俺「えっ、なんで?」 犯されると聞いてテレビに注目する。 幼「分かるじゃん」 しばらく待っていたが犯されない。 俺「普通にお手伝いしてるじゃん」 幼「今は他の人がいるからよ。あんなの下心見え見えじゃない」 半信半疑で待っていると、本当に女をベッドに押し倒して服を左右にビリビリ破き出した。 俺「本当だ」  ◇ 幼「今の、頭の打ち所悪くて死んだよ」 俺「本当だ」  ◇ 幼「この子逃げるよ」 俺「本当だ」  ◇ 幼「この男、あの子をかばってるよ」 俺「本当だ」  ◇ 幼「泣くよ」 俺「本当だ」  ◇ 最後まで全部当たった。 幼「ふう。そんで和くんの用事は何?   ご飯?」 俺「忘れちゃった。   でもご飯食べる!」 幼「アホ!」 俺「お腹すいたー。食べる食べる」 幼「しっかたない、美味しいの作ってあげるか」  ◇ 幼「和!   なんなのこれ!」 うわあ、よく分からないけど怒られるぞ。そう思った。  ◇ おそるおそるみおの方へ向かう。 幼「ここびっちょびちょじゃない!」 怒るみお。 分かりにくいが、みおの股間が濡れて怒っているわけではない。 床とかが濡れているのだ。 俺「ごめん、それをあそこの布巾で拭いても良いのかを聞こうとしてて忘れてた」 幼「CMの時に聞いてよもー!   きんぴらごぼう食わすぞ」 俺「えー!」 幼「えーじゃないでしょ。大体なんでこうなったのよ!」 俺「みおに何か飲み物をと思った結果こうなった」 幼「過程が謎過ぎる!」 俺「嘘だけどね」 幼「嘘かよ!」 俺「本当は水遊びしてた」 幼「すんな!」 俺「水遊びと言っても、子供の遊びみたいなやつじゃないよ?   蛇口にスプーンを押し付ける格好良いやつだよ?」 幼「同じだろが!」 同じにされた。女はこれだから困る。 女にはあの殺るか殺られるかの水しぶきとの殺し合いのロマンが分からんのだ。 まあこの日は殺られた上にこうしてみおにも怒られて踏んだり蹴ったりだったわけだが。 むしろ勝ったことがないことに今気付いたわけだが。

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