日常編77

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俺「また夢見た」 幼「おお、新作!」 みおは俺の夢の話が好きらしく、覚えてたら教えるように言われている。 俺「なんか大学で数学の授業やっててさ、右の奴が立って喋ってるのね」 幼「うん」 俺「大学は行ってないから中学・高校レベルの数学や授業のルールなんだけど、   机だけは大学のこう長いやつなわけよ。一つの机に何人も座る、教会みたいな」 幼「分かる」 俺「そんで夢の中だからボケッとしてんだけど、右隣の奴が終わって次に俺が指名されてさ。   なんか黒板に書いてあるような平方根などが役立つ場面を言うって質問なんだよ。こういう時に使えるっていう」 幼「あー」 俺「それで俺は、ちょっと待って下さいって言って慌てて考えるわけよ」 幼「ふんふん」 俺「そしたらさ、黒板の左下のコーナーだけおかしいんだよ。こんなに役立つ攻撃魔法、みたいな。   モンスターの弱点を把握することで一般的なプレイの何倍も役立つ可能性を秘めているとか書いてあって、ゲームごとに例が書いてあるわけ。   ドラクエ3なら『ゾーマにはベホマでダメージが与えられる』とか、   ドラクエ5なら『ダメージ幅が広くて使いにくいバギクロスだが、正しい場面ですばやさの高いキャラが他の仲間より先に唱えれば十分生かせる。ベホマ・ザオラル・バギクロスの使える主人公にほしふるうでわを持たせる手も』とか、   FF2なら『リメイク版アルテマのポテンシャル』とか」 幼「先生ゲーマーだな」  ◇ 俺「それで俺、左の奴に小声で聞くわけよ。俺が答えるやつって攻撃魔法でも良いのかって」 幼「うん」 俺「そしたら『ダメなんじゃない?』って言われて。   くっそー、攻撃魔法ならいっぱい思い付くのぬぃーって小声で拳を震わせたわけよ」 幼「和くんなら簡単だもんね」 俺「そんで、『ドラクエ3ではぐれの群れが出た時の欄にドラゴラム→ピリオムって書いてあるけどピオリムの間違いだろちくしょう』って小声で愚痴ってたのよ」 幼「あっはっは」 俺「そしたらさ、二つ右の友達がさ。いや、夢の中だから知らないんだけど近くにいてさ。そいつがさ。   すっげー頭良さそうな美人なの。背が高くて、ストレートで黒髪でさ。   なのにそいつが『せんせーしつもぉーん。黒板全部良いんだよねー、ってか間違ってるってぇー』とか先生に聞いてさ」 幼「えー!?」 俺「そこらへんで起きた」 幼「あー終わりかー。   いやー、和くんの夢は本当に面白いわ。ゲームのことが出る確率が半端じゃない」 俺「そんな高いかな?」 幼「高いよ絶対」 俺「なんでだろ」 幼「ゲームが好きなんでしょ」 俺「でも夢にまで出てくるってかなりのゲーマーみたいでやだな」 幼「お前、自分がかなりのゲーマーじゃないとでも思ってんの!?」  ◇ 俺「いや、そういうことじゃなくてさ。   みおのことも好きなのになかなか夢に出ないからなんかさ」 幼「はい、ウソウソ」 俺「嘘じゃないよ」 幼「だって夢に出ないんでしょ?」 俺「多分みおがこまめに性欲発散させてくれてるからだよ。性欲溜まってないから夢に見ないで良いやって感じで」 幼「それようするに、私は性欲溜まってる時しか要らないと内心では思ってるってことだよな!?」 俺「うわ、違う違う!」 幼「あなたの気持ちはよく分かりました」 俺「ごめんってば。……おかしいなあ、なんで出ないのかな」 幼「白々しいわ」 俺「好きなんだよ?」 幼「そんなのどうでも良いですー、   私は和くん嫌いですー、   和くんなんか死ねば良いですー、   もう二度とキスしようとするなですー」 すねてしまった。 でも、こういう時って実はキスしても怒られないのだ。 試しにキスして抱きしめてみると……やっぱりギュッてしてくれました。

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