日常編49a

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幼「友達にお店のバイト頼まれたんだけど良い?」 俺「どんなん?」 幼「アミューズメントバーだって。女が足りないから初日だけ来てほしいんだって」 俺「客に痴漢されない?」 幼「されないんじゃん?」 俺「衣装どんなの?」 幼「分かんない」 俺「露出度高いのだと嫌だなあ」 幼「画像送ってもらう?」 俺「そうして」  ◇ 幼「服これだって」 俺「うーん……」 幼「ダメ?」 俺「ちょっと心配だなあ」 幼「和君もお客でくれば?   飲み食いも全部無料だってよ」 俺「じゃあ二人で客で行こうよ」 幼「私が働いたらの話だよ。女が足りないんだってば」 俺「女の子が働いてくれたら彼氏の遊ぶ分をサービスでタダにするよってこと?」 幼「そうそう」 俺「ケチくせーなあ」 幼「そう?」 俺「遊んでバイト代ほしい」 幼「アホでしょあんた」 俺「俺の食べられるような物あるのかよ」 幼「サーロインステーキあるよ」 俺「マジで!?」 幼「うん」 俺「行くわ!」 幼「あとアイスもあるしチョリソもあるよ」 俺「絶対行く!」  ◇ 俺「ところでアミューズメントバーて何?   女の子が『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の実況してくれたりする?」 幼「ゲーム出来るか聞いてみる?」 俺「聞こう聞こう。何でも聞こうぜ」  ◇ 幼「パチスロあるって」 俺「スープラとかある?」 幼「はいはい、聞けば良いんでしょ」  ◇ 幼「これで全部だって」 俺にメールを見せる。 俺「んー……ホロキュー渋いな……お、バンバンダッシュとか……あー……」 幼「良いのあった?」 俺「イマイチだな。三号機ないしロリキャラ機種に偏ってる」 幼「あんだけむにゃむにゃ言っててイマイチ!?」 俺「まず南国育ちと銭形がないし。個人的にはZゴールドとかマジックモンスターとかほしいな」 幼「打ちたいのないの?」 俺「七機種くらいしかない」 幼「多っ!」 俺「俺って結構雑食な感じだからね」 幼「実際のご飯をそのくらい色々食えよ……」  ◇ 俺「ちゃんと、たくさん飲み食いするけどって言っておいてね。   恥ずかしいからそんなに食べるなとかはなしだよ」 幼「分かった」 俺「ステーキ久しぶりだなあ、楽しみだ」 幼「じゃあしばらく魚料理でいこうね」 俺「えー」 幼「えーじゃないの!   どうせ外でもお肉ばっかり食べてるんだから」 俺「外の魚は骨がー……」 外で食べると骨をおおっぴらに口から出しにくいと思う。 幼「だからウチで食べなさい、骨取ってあげるから」 俺「エビフライじゃダメ?」 幼「魚じゃないでしょ」 俺「エビの方が目玉がかわいいのに」 幼「そういう問題じゃないだろ」  ◇ 俺「エビの方が好きなんだけどな……」 幼「いつまで言ってんのよ。   スーパーに魚買いに行くから用意して」 俺「今日から魚なの?」 幼「当たり前でしょ」 俺「シガレットチョコあるかな?   みお買ってよ」 幼「魚残さず食べたらあげる」 俺「やった。はんぶんこしよ」 幼「あんた、タバコの形のチョコとかお酒の形のグミとか好きよね」 俺「なんか格好良いじゃんか」 幼「お魚たくさん食べたらもっと格好良いよ」 俺「本当?」 幼「うん」 俺「じゃあ食べる」 幼「あはは、単純」 俺「だってみおに嫌われたらやだ」 幼「私、好き嫌いしない人好きだよ」 俺「前より好き嫌いしなくなったよ!」 幼「偉い偉い。でも、もうちょっと頑張ったらもっと好きになっちゃう」 俺「頑張る」 俺が外で肉ばかり食べるようになると、不思議なことにみおはそれが分かるようだ。そしてみおが心配したり応援したりしてくれてやる気を出す。 それから少しは気をつけるのだが、しばらく経つとまた好きなものばかり食べるようになっている。そうするとまたみおが注意する。 それを繰り返して俺の食生活はバランスが取られています。なぜ肉ばかりになるとみおにバレるかは謎です。俺はこの力をフレアと呼んでいる。  ◇ そして当日。 店員と知り合いなの丸出しじゃまずいのでメールでやりとり。 俺【みお似合ってるよ。かわいい】 幼【うるせーバカ】 俺【早速ステーキ食べたい】 幼【直接頼めよ】 俺【みおがかわいすぎてどきどきして無理だった】 幼【それなら仕方ないな】 返信するのは仕事の合間なのでこれだけで一時間半かかってる。 今思うとバカみたいだ。  ◇ その間のバンバンダッシュはこんな感じ。 ┏━━━━━━━━━┓ ┃         ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ↑バンバンダッシュのドットマトリックスです ┏━━━━━━━━━┓ ┃ DANGER  ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ♪みょーんみょーん ┏━━━━━━━━━┓ ┃ 〇⌒゜  ◇  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ↑ ↑  ↑  自機 弾  敵  ♪ズババズバババ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  CLEAR  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ♪にょろにょろん ┏━━━━━━━━━┓ ┃ 〇⌒゜  ◇  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ↑ ↑  ↑  自機 弾  敵  ♪ズババズバババ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  CLEAR  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ♪にょろにょろん ┏━━━━━━━━━┓ ┃ 〇⌒゜  ◇  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ↑ ↑  ↑  自機 弾  敵  ♪ズババズバババ  ◇ ┏━━━━━━━━━┓ ┃BIG BANG≡┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  1 3 2  ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃   50G   ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  1 2 3  ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃   EXTRA≡┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  〇 ο 。  ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┏━━━━━━━━━┓ ┃ DANGER  ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ♪みょーんみょーん ┏━━━━━━━━━┓ ┃ 〇⌒゜  ◇  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ↑ ↑  ↑  自機 弾  敵  ♪ズババズバババ ┏━━━━━━━━━┓ ┃  CLEAR  ┃ ┗━━━━━━━━━┛   ♪にょろにょろん ┏━━━━━━━━━┓ ┃   1UP   ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ……手間と時間のわりに99%の人には意味が分からないっぽいのでやめます。  ◇ 俺「あれどうしたの?」 店員が三人集まっているのでみおに聞いてみる。 幼「なんか揃えられないみたい」 近寄ってみると、大当たりの告知の時にバックライトが消えてしまうというタイプのパチスロだった。たしか、見にくいため今では規制された演出ではなかろうか。 これはたしかに最近の台しか知らないと見にくい。なにしろ暗い。バックライトがなかった頃の携帯ゲーム機、GBAあたりを思い出してもらえば伝わるだろうか。 GBAspに慣れてしまうとGBAの画面の暗いこと暗いこと。 ……この話も伝わりにくいのでやめます。 俺「押しましょうか?」 おばちゃん「すみません。押せます?」 揃える。 おばちゃん「ありがとうー。       ジャグラーが空いてなくて分からないのよー」 俺「あそこのやつやると良いですよ。   適当押しでも勝手に7が揃うんで」 おばちゃん「そうなんだ、ありがとう」 そもそもなんでおばちゃんがこんな店に来てるんだよと思ったが聞かなかった。  ◇ 閉店が近づく。 俺【おばちゃんの台の続きやりたいんだけどもう消しちゃうの?】 幼【言っておく】  ◇ 閉店後、コンビニで待ち合わせ。 幼「おまたせ」 俺「早いな。一回出なくても良かったんじゃね?」 幼「まあ一応ってことじゃない?」 話しながら店に戻る。 俺「着替えちゃったのか、写メ撮りたかったのに」 幼「そんなのどこで撮るんだよ」 俺「みんなの前で」 幼「恥ずかし過ぎるだろ」 俺「良いじゃん。みおが一番かわいかったし」 幼「はいはい」 俺「本当なのに」 幼「実は三回ナンパされた」 俺「えっ、大丈夫だった?」 幼「うん。触られたりとかはしてないよ。メルアド聞かれたりしただけ」 俺「良かった」 幼「メルアド教えちゃった」 俺「えっ!?」 幼「うそだよ」 俺「なんだ。びっくりした」 幼「ちゃんと指輪見せて断ったよ」 俺「そういや指輪してんのに三人てすごいな」 幼「私もそろそろ大人の魅力が出てきたのかな!?」 俺「それはない」 幼「なんでよー。メルアド教えちゃえば良かった」 俺「ダメだよ、みおは俺のだもん」 幼「お前のじゃないけどな」  ◇ [再び店内] 幼「和君まだ何か食べる?」 これから店員のみんながご飯を食べるようだ。 俺「もちろんステーキ」 幼「また!?   もう360グラムだよ?」 俺「ステーキ食べたい」 幼「明日野菜だよ」 俺「野菜食べるから」  ◇ 俺「いやあ、おばちゃんをこっちに移らせて良かったなあ」 ステーキが来るまでおばちゃんの台の続きを遊びながらみおと話す。 幼「そういや珍しく親切だったね」 俺「まあ、あんなにビタ押ししててほったらかしじゃね。   さすがに他の店員に『なんだよみおの彼氏』って思われちゃうでしょ。   みおが悪く思われるのは嫌だからね」 幼「そういうの分かるの?」 俺「スロットやる人には分かると思うよ。あの台自体は知らなくてもビタ押しをした時にうるさいし。   そこまでは分からなくても毎回同じとこ狙ってるってのは分かるしね」 幼「ふーん……」 台「ふぅあふぅあ!!!!」 幼「ひゃっ!」 俺「ぐあー三桁になっちゃった。やばい、片付けまでに終わらないかも」 幼「あはは」  ◇ 幼「ステーキ美味しい?」 俺「食べる?」 幼「ちょっと交換しよ」 俺「これ何?」 スパゲティーにイカとアサリが入ってるやつだ。 幼「海のなんとか。美味しいよ」 俺「アバウトだな」 幼「ようするにスパゲティーよ」 俺「モグモグ……」 幼「食べられるでしょ?」 俺「これ、俺でも食べられるやつにしてくれたの?」 幼「そうだよ。何入ってるかわざわざ聞いたんだからね」 俺「これも美味しいね」 幼「でしょ?   それ食べなさい。こっち私が食べるから」 俺「ステーキもう一切れだけちょうだい。最後」 幼「一切れだけね」 俺「うん」 幼「はい、食べて良いよ」 俺「あーん」 幼「自分で食え」 俺「ちぇっ」 幼「こんなところで出来るかバカ」

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