作中に登場した兵器の一覧

ドイツ

Ⅱ号戦車

戦車生産技術の習得用に開発されたドイツの軽戦車。
試作型は1935年に完成し、1936年から増加試作型が数十輌作られ、翌年からA型が本格的に量産に入った。
本格的な主力戦車であるⅢ号戦車、Ⅳ号戦車が配備されるまでの繋ぎのはずであったが、これらの生産が間に合わず、第二次世界大戦開始時のポーランド戦から主力として実戦投入された。
20mm機関砲一門という軽武装、軽装甲のため、独ソ戦当時には戦車としての価値は完全に失われていた。
なお同時期に7.92mm機関銃二門を搭載したⅠ号戦車が製造されている。

Ⅲ号戦車

きたるべき戦車戦術を考慮して主力戦車とすべく製造した中戦車である。
開戦当初は数がそろわなかったが、対フランス戦時にはその数も増え、独ソ戦の頃には主力戦車となる。
しかしソ連のT-34には50mm砲は力不足であった。
史実では大戦後半には主力としては用いられず、代わってシャーシを流用して砲塔を廃して長砲身の75mm砲を搭載した三号突撃砲が生産されるようになった。

Ⅳ号戦車

本来は敵の陣地を攻略する為に短砲身24口径75mm砲が搭載されたが、ソビエト連邦軍のT-34戦車に対抗するべく、F型の生産途中から長砲身43口径75mm砲(後に48口径75mm砲)が搭載された。
Ⅲ号戦車に比べより大口径の主砲を収容する余裕のあるIV号戦車は、軍が求めるさまざまな要求に応じることが出来た。
そのため軍馬と呼ばれ、多種多様な派生型を生み出すこととなった。

Ⅳ号戦車H型

四号戦車の派生型としては最多の生産数を誇る。
48口径75mm砲を搭載し、装甲の強化や新型変速機の採用など改良が加えられている。
また車台や砲塔の側面には薄い増加装甲板(シュルツェン)を備えている。

Ⅵ号重戦車

ティーガー(タイガー)戦車のこと。
史実ではティーガーが実戦で最初に戦ったのは1942年9月、レニングラード戦区でのことだった。
しかし最初の戦闘では軟弱な湿地帯で泥にはまって行動不能になる車両が続出し、その実績は芳しいものではなかった

17cm列車砲サミュエル 21cm列車砲ペーターアダベルト 38cm列車砲マックス

いずれもドイツが第一次大戦中に開発した列車砲。
17cm、21cm砲は巡洋艦、38cm砲は戦艦の主砲と同等で、38cm砲弾では砲弾重量は800kg近くに達し、一発で地上に巨大なクレーターを築く威力がある。

BP42型

ドイツ軍が1942年から運用した装甲列車の形式名。
標準編成は炭水車と装甲機関車を中心に、(無蓋貨車)(戦車搭載車)(榴弾砲及び対空砲車・司令車・対空砲車)をその前後に配置した12両となる。
(榴弾砲及び対空砲車・司令車・対空砲車)はワンセットになっており、装甲通路によって連結されているために搭乗兵員は戦闘中でも車両間を移動することが可能である。
戦車搭載車にはチェコ製の38(t)やフランスの鹵獲軽戦車が搭載され、必要に応じて下車し路外での警戒や戦闘を行った。
1944年より、先頭及び最後尾の無蓋車両を四号戦車の砲塔を搭載した装甲戦闘車に変更したBP44型編成が運用されるようになった。

MG34

1934年に制式化され製造されたドイツの機関銃である。
空冷式で、7.92mmモーゼル弾を使用
高い発射速度や過熱しても簡単に銃身交換が可能なメカニズムを持ち、三脚を取り付ければ長距離射撃可能な重機関銃、そのままなら歩兵が携行して移動可能な軽機関銃としても用いられる世界最初の汎用機関銃として、戦後の機関銃開発に大きな影響を与えた。
歩兵用の主要機関銃としてだけでなく戦車用の機銃や、航空機の防御用兵器として終戦まで使われ続けた。
しかしMG34は高価であり、常に拡大し続けていたドイツ軍の各戦線への各種要望に応えることができなかった。
さらに、汚れに過敏な傾向にあり、ジャミングを起こすことが多かった。
史実では構造を簡略化したMG42が戦争中盤より配備されている。

ZF39

Zielfernrohr39(39型照準眼鏡)を取り付けたKar98kのこと。
Kar98kは口径は7.92mm、装弾数は5発のボルトアクション式ライフルである。
第二次世界大戦におけるドイツ軍の主力小銃として大いに活躍した、現在においても一部の国で使用されている傑作銃である。

アハトアハト

Flak 18/36/37 88mm砲。アハトアハトはドイツ語で88。
第二次世界大戦にドイツで使用された高射砲で最大射程は約2km。
対空砲として開発された88mm砲であったが、同時に優れた対戦車砲としての能力も有している。
長い射程と正確な砲撃で絶大な威力を発揮し、第二次世界大戦では、ヨーロッパにおける東西戦線及び北アフリカ戦線で使用された。
汎用性は高く、対地、対空などさまざまな用途に使用できる多用途砲として絶大な威力を発揮した。
野戦において約1.5km先の100mm以上の装甲板を貫徹する能力を有する

独特な発射音から、ドイツ軍将兵はその音を聞くと「アハト・アハトだ!」と沸いたという。

ウラルボマー

ドイツ空軍のヴァルター・ヴェーファー将軍が提唱していた長距離爆撃機の通称。
ドイツ国内から発進してロシアのウラル山脈東方の工業地帯を爆撃する能力が求められた。
四発爆撃機のユンカースJu-89、ドルニエDo-17が試作されたが、ヴェーファー将軍が飛行機事故で死亡後、地上部隊を支援する戦術空軍をめざすドイツ空軍内にこの構想を支持するものはなく、ゲーリングによって開発計画はキャンセルされた。
この後ドイツ空軍は爆弾搭載量も航続距離も短い双発爆撃機で英国に爆撃を仕掛け、大損害をこうむることとなる。

カール

60/54cm臼砲を備えた自走砲。
劇中では「口径60センチ」としているが、54センチ型も存在している。
臼砲は文字通り臼のように大口径で砲身の短い砲で、初速は遅く射程距離は短いが砲弾の炸薬量は多いので炸裂すれば大破壊力を発揮する。
また大角度で撃ち出される砲弾は垂直に近い角度で落下するため、べトンなどで装甲されたトーチカなどの攻略に威力を発揮する。

ガンマ・メルツァー

42センチ臼砲を備えた砲。
1906年から製造されている要塞攻略用の兵器。
作中でメルツァーと発音されているが実際にはメルザー(Moerser)で臼砲のこと。

グスタフ

80cmカノン砲を備えた、巨大列車砲の1号機。
1941年に製造された要塞攻略用の兵器であり、諸元については作中参照。
「グスタフ」の名前は当時のクルップ会長から取ったとされるが、ドイツのフォネティックコード(アルファベット1文字に固有の呼び名をつけること)における「G」でもある。
なおカノン砲とは長砲身高初速の火砲のことで、臼砲や榴弾砲に比べ遠距離まで弾を飛ばすことができるが発射時の衝撃に耐えるために砲弾の弾殻は厚く、内部に充填される炸薬量は少ない。

ジークフリード

38cm列車砲。
作中で説明されているとおり、戦艦(ビスマルク級)の主砲を流用して開発された列車砲。
砲身長20m、車体も含めた重量394t、最大射程約56km。

シュトルムゲヴェール42(Sturmgewehr 42)

おそらくは史実のシュトルムゲヴェール44(Stg44)と同じもの。
Stg44はKar98kよりも火薬量の少ない薬莢を使用して反動の軽減と弾倉の装弾数の増大がなされ、引き金を引くだけで薬莢の排出・再装填が可能かつフルオート射撃可能な世界最初のアサルトライフルである。
30発収納で取り外し可能な大型弾倉、ピストル型のグリップを特徴とする。
史実では最初はMkb42という名称で1942年に導入されたが、ヒトラーが制式化を許可しなかったために、MP43、MP44(MPはサブマシンガンの略称)などの名称で改良は進められたものの戦争末期に制式化されるまで生産は少数に留まっていた。
本作ではヒトラーがいないために制式化が早まっているものと思われる。
写真はStg44

ドーラ

80cm列車砲2号機。
性能については、グスタフと同じ。
「ドーラ」の名前は開発者の妻から取ったとされるが、ドイツのフォネティックコード(アルファベット1文字に固有の呼び名をつけること)における「D」でもある。

ハインケル111

He111爆撃機
第二次世界大戦前から大戦終了までドイツ空軍が使用していたレシプロ双発爆撃機。
大戦を通じて使用された主力機で、使い勝手の良さから多くの派生機が誕生した。
大戦当初は主力機として活躍したが、爆弾の大型化に伴い速度が低下し、また防御力も低かったため、イギリス戦では大損害を被った。

パリ砲

第一次大戦時にドイツ軍がパリ砲撃のために開発した超長射程列車砲。
口径210mm、砲身長は28m。
あまりに長い砲身が自重でたわむため、砲身中央部に支柱が立てられそこからケーブルでつり橋のように砲身を支える構造になっていた。
最大射程は130kmに達したといわれるが、発射に当たっては地球自転によって発生するコリオリの力も考慮に入れなければならず、弾着のばらつきが大きいため命中率も高いものではなかった。
また重量を軽減するために砲身厚は薄くなっていたので、60発も撃つと砲身内は磨耗して口径は30mm近く広がり、砲身の寿命も極端に短いものだった。

フォッケウルフFw190

メッサーシュミットBf109とならんで第二次世界大戦におけるドイツ空軍の主力を担った単発のレシプロ戦闘機。
主力戦闘機メッサーシュミットBf109は高性能ではあったものの、操縦が難しかったため着陸事故が急増していた。
その為にバックアップ用の機体として開発された。
空戦性能のみならず、パイロットには操縦しやすく、最前線でも容易に修理が可能、さらに大量生産しやすい構造という、まさに理想的な兵器であった。
このため改良が続けられ、初期のA型と最後に作られたD9型では別物にしか見えないくらい形状が変化している。
設計者は天才と名高いクルト・タンク博士で、実質的にはFw190の最終形態であるTa-152はレシプロ戦闘機の極限といえる性能を持っていた。

メッサーシュミットBf109

第二次世界大戦におけるナチスドイツ空軍の主力戦闘機。Me 109とも呼ばれる。
Bfはメッサーシュミット社の旧社名「バイエルン航空機製造会社」の略。
メッサーシュミットMe262は生産開始が1944年なので、この場合はBf109の方。
単葉・全金属・引込脚など、当時の標準形態を備えたドイツ初の単座戦闘機。
列強各国機に対抗できなかった旧型機に替わり、急遽スペイン動乱に投入されてデビュー、以後、第二次大戦終了まで実質的な主力戦闘機の座を保った。
新人には難しい操縦も、慣れると良好な飛行特性・性能で多くのパイロットに信頼され愛された。

ユンカース52

Ju 52
ユンカースとはドイツの航空機メーカー。
Ju 52は主として、輸送機や旅客機として用いられた。1930年代から第二次世界大戦中のドイツ軍用輸送機として用いられる。
ジュラルミン波板の外皮構造と3発のエンジンが特徴で、極めて頑丈な機体でありタンテ(おばさん)の愛称で呼ばれていた
第二次世界大戦では、ルフトヴァッフェにより爆撃機としても使用された。



ソ連

KV-1

ソ連の戦車で、KVとは開戦当時のソ連国防相クリメンティ・ヴォロシーロフの頭文字のこと。
1939年に開発され、第二次世界大戦初期から中期にかけてT-34中戦車と共にソ連軍機甲部隊の中核をなした。
76.2mm砲を装備し当時としては破格の重装甲を誇ったKV-1は、独ソ戦当初、戦場で相対したドイツ軍の戦車や対戦車砲から放たれる砲弾をことごとく跳ね返し、彼らをして「怪物」と言わしめた。
独ソ戦開戦初頭には戦線後方に突然出現したたった1両のKV-1が街道を占拠し、88mm砲と歩兵の肉薄攻撃で撃破されるまで3日間にわたり前線への補給路を遮断するという事件もおきている。
ドイツ軍のIV号戦車の砲強化、VI号戦車、V号戦車の登場等により主役の座を降り、122mm砲を搭載した新型のJS-2戦車にその座をゆずることとなった。

T-34

第二次世界大戦から冷戦時代にかけてソビエト連邦を中心に使用された戦車である。
傾斜した装甲、泥濘や雪原でも移動可能な幅広いキャタピラ、大口径の主砲など先進的な設計がなされ、いくつかの欠点はあったものの独ソ戦開戦時のドイツ軍戦車の性能を凌駕していたため、T-34ショックともいわれる大きな衝撃を与えた。
史実ではこの存在が重装甲大口径の主砲を搭載した六号戦車ティーガーや、T-34の設計を参考にした五号戦車パンターの開発を促した。
独ソ戦で、窮地に陥ったソ連を勝利へと導いた一因となったことからモスクワの守護神またはロージナ(祖国)と呼ばれた。

シュルトモヴィク

ソ連のイリューシンIL-2の通称。
戦車や輸送車両などを目標とした対地攻撃を主たる目的とした航空機で、地上からの砲火に耐えるために大変厚い装甲を有していた。

マキシム・ゴリキー

305mm海軍砲を載せたセヴァストポリ最大の砲塔
セヴァストポリ市街を挟んで北方にマキシム・ゴリキーI、南方にマキシム・ゴリキーIIの二つがあった。
305mm(12インチ)砲は20世紀初頭の戦艦の主砲であり、マキシム・ゴリキー砲塔は戦艦の二連装砲塔をそのままコンクリートで装甲された保塁にすえたものである。
(前にマキシム・ゴリキーという名称はドイツ側がつけたと述べたが、これについての確証が得られなかったのでこれについてはさらに調べたい)

モシンナガンM1891/30

第二次世界大戦に旧ソ連で開発されたボルトアクションライフル。
帝政ロシア時代に登場したモシン・ナガンM1891(1891年製)を1920年代に改良を始め1930年に完成した。
口径7.62mm、装弾数 5発。
銃身長を短くしたことで扱いやすくなったが機関部がモシン・ナガンM1891と同様の為、射程が短いのが欠点。
また狙撃用の3.5倍(PU型)から4倍用(PE型)のスコープを装着することができ狙撃銃としても使用することができた。
第二次世界大戦を通してソビエト軍にとって代表的な小銃。


その他の国


スコダ

チェコスロバキアのシュコダ社が製造した戦車である。
チェコスロバキア軍にて使用されていたが、ドイツに併合された際にその多くがドイツ陸軍に接収された。
生産性に優れ、またそのトランスミッションの操作性は高かった。
LTvz.35とLTvz.38の2種があり、ドイツ軍ではそれぞれ35(t),38(t)と呼称した。
史実では独ソ戦の前半までⅢ号戦車の不足を補完する実質的な主力戦車として使用され、一部は車体を流用して自走対戦車砲(マルダーⅢ)や自走榴弾砲(グリーレ)などに改造されている。

ソミュア

ソミュアS35。第二次世界大戦開戦当時のフランスの主力戦車で、ドイツのIII号戦車を上回る重装甲を有していた。
フランスの敗北後はドイツ軍によって運用が続けられた。


パナール

パナール装甲車。1940年の独仏戦での最新装甲車。ソミュア同様フランスの敗北後はドイツ軍によって運用が続けられた。

ベイカー小銃

19世紀初頭にイギリス人エゼキエル・ベイカーが発明したライフル銃でイギリス陸軍が制式小銃として採用した。
それまでの主力小銃であったマスケット銃と異なり銃身内に旋条(ライフル)が切ってあり、撃ち出される弾丸に回転が与えられることで弾道が安定するため飛躍的な命中率の向上を実現した。
しかし点火機構はそれまでと同じフリントロック(火打石式)で弾丸は銃口から火薬と共に装填する先込式の為、発射後の再装填がしにくいという欠点があった。
そのためナポレオン戦争時には一部のエリート部隊に支給されるに留まり、主にフランス軍の指揮官や将校を狙う狙撃銃として用いられた。
なおライフル銃自体は15世紀頃にはすでに発明されており、主に狩猟に使われていた。
独立戦争時にはアメリカの大陸軍はライフル銃での狙撃で指揮官を狙撃するという戦術をとり、イギリス軍を大いに苦しめている。
(旋条の無いマスケット銃時代の戦闘では歩兵は横隊を組んで前進し、「敵の瞳が見えるくらい」接近してから一斉射撃を行うという戦法を取って命中率の低さをカバーした。)

その他、兵器の種類等


アイゼンバーンラフェッテ

ドイツ語で「列車砲架」のこと。
レールの上を走る台車上に砲身を支持し照準をつけるための駐退機や仰角機構もろもろの総称。

装甲列車

車両を防御装甲で覆い、対空砲座や野砲を搭載した重武装の戦闘用列車。
第一次大戦および第二次大戦当時、ヨーロッパなど鉄道網の発達した地域で盛んに使用された。

フラック

Flak(Friegerabwehrkanone)
高射砲・対空機関砲のこと。
20mm機関砲-128mm高射砲まで十数種類ある。
対空機関砲は低空から侵入する敵機(主に戦闘機や戦闘爆撃機)に対し弾幕を張る。
大口径の高射砲は高空の敵機(主に爆撃機)に向かって砲弾を打ち上げ、時限信管で炸裂した砲弾弾片で損傷を与える。

対コンクリート砲弾

弾殻を厚くし、コンクリートを貫通後に遅延信管により炸裂する砲弾。
主にトーチカへの攻撃に使用された。

擲弾

小銃の先端に差込み専用の空包によって撃ち出される小型の榴弾。
威力は手榴弾程度だが、より遠くに飛ばすことができ射手が敵に身をさらさずにすむという利点がある。
カンプピストルという信号銃から発射するタイプもあった。

トーチカ

円形か方形もしくは六角形で、全長が数メートルから十数メートル程度、鉄筋コンクリートの厚い壁で被われている。
トーチカの壁には機関銃や大砲を射撃できるよう小さな銃眼を空けてあり、敵の砲火に対して耐久力を増すため、構造の大部分が地表面より下になっている。
トーチカは銃眼以外にはあまり穴が開いていないため、非常に死角が多い。
このため通常は複数のトーチカを並べて、相互にカバーできるよう設置される。

保塁

砲台のこと。
中で射撃する砲兵を敵の砲爆撃から守る重要な存在。
これがあるかないかでは、砲兵の死傷率にかなりの差が出る。

高低圧砲

砲弾を撃ち出す装薬を収めた薬室と砲弾の間に低圧室という小空間を設けた火砲。
装薬の燃焼ガスは低圧室内に導かれそこで圧力が下がるために砲身に過大な圧力がかからず、砲身の厚さを薄くしてその重量を軽減でき、しかも砲弾の初速は低下しないというメリットがある。
史実ではドイツ軍は大戦後半に対戦車砲として実用化したほか、高低圧砲二門を搭載したルッチャーという小型駆逐戦車の開発も行われていた。

無旋条砲

滑腔砲(スムースボア)ともいう。
砲身内にらせん状のみぞ(ライフリング)を切らない火砲のこと。
ライフリングが磨耗しないため寿命が長く、溝と砲弾の隙間からガスが漏出しないというメリットがあった。
しかしその一方ライフリングによって砲弾に回転が与えられないためジャイロ効果が発生せず、弾道が安定しないというデメリットもある。
このため砲弾に小翼をつけるなどの必要がある。
現在の戦車砲はほぼ全て無旋条で、発射直後に分離脱落するサボに包まれた小翼付のダーツ状の高速飛翔体撃ち出すタイプとなっている。

無反動砲

砲弾を撃ち出すと同時に、後方に火薬の燃焼ガスの放出やカウンターマスの射出を行うことで反動を軽減する火砲。
駐退機や駐鋤などの重くて複雑な機構が不要なために火砲全体の重量を軽くすることができる。
しかし初速が遅いため、榴弾砲や速度関係なく効果を発揮する成形炸薬を使用した対戦車砲などとして使用されている。
史実で大戦後期にドイツ軍が使用したパンツァーファウストは無反動砲の一種で一人で構えて発射が可能だが、発射筒の後端から高熱の火薬ガスが放出されるため、後方20m以内にいるとこのガスを浴びる危険性があった。

ヤークトボンバー

爆弾や対地ロケット弾を装備する中型~小型の対地攻撃機のこと。

ラムジェット推進砲

おそらくはRAP弾(ロケット補助推進弾)の一種であるラムジェット弾のこと。
構造が簡単で高速時に最大推力を出すラムジェットエンジンを砲弾に組み込み、その推力によって200km近い射程距離を持つ。

ロケット砲

ロケット弾を撃ち出す兵器のこと。
火薬の燃焼ガスを噴出すことによって推進するロケット弾は通常の火砲に比べて命中精度は低いが複雑で重量のかさむ反動軽減機構が不要なため、発射装置の多連装化が容易である。
このため簡単な発射装置を並べて一度に大量にロケットを撃ち出し、目標となる地域を広範囲に叩く面制圧に向いている。
ドイツ軍のネーベルヴェルファーやソ連軍のカチューシャが有名。

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最終更新:2007年02月16日 22:30