御巫 蓮樺


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御巫 蓮樺

七人目の暇人
Part1/2


一人の男が一つのビル「株式会社デブリブデ」に入っていく。いや、正確には駆け込んでいったと言う表現の方が正しいのだろう。
その男の名はソウスケ。
ソウスケは急いでいた。本来の出社時間から2時間も遅れているからだ。しかし、それだけではなかった。ハチワンがすでに出社しているかもしれないのだ。
ハチワンの平均遅刻時間は2時間半である。そう考えるとまだ余裕はあるのだが用心にこしたことは無い。というわけでソウスケは急いでいた。急ぎすぎて階段で躓いて転びそうになるほど急いでいた。
そして、自分が所属している「宇宙廃棄物処理課」の扉に手をかけた。

宇宙廃棄物処理課
宇宙デブリを回収しにいく、簡単に言えば宇宙を活動範囲とするごみ拾いである。
地球にいた頃はかなりの大規模で活動していたが、火星に移住して急激に勢いをなくしていった。
それもそのはず、火星に移住してからまだ10年である。そんな火星にデブリなどが大量にあるわけも無く、先日回収しに行ったデブリは宇宙廃棄物処理課が火星に移住してから初めての仕事であった。
これほどまで仕事が無いので他の部署から給料泥棒と文句を言われ、さらには無くすべきであるといわれていたが、それはまた別のお話
デブリの回収が無ければ、やることが何も無い部署であるため、給料などは他の部署で働いている人たちの約半分である。
そのため現在ではハチワンとソウスケの二人しか所属していない。

ソウスケは部屋の中に入る。どうやらまだハチワンは出社していないようだった。
やれやれと呟きながら自分のデスクに移動し始めた。
「あっるぇ~、ソウスケ君じゃないですか~」
何者かに肩をつかまれる。それにとても楽しそうな聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。
ソウスケが後ろを振り向くと、そこにはとても楽しそうな顔をしたハチワンがいた。
「あ、おはようございます。今日も遅刻ですか?」
ソウスケはいつも通りのことをハチワンに言い返した。
しかし、最初にかけられたハチワンの言動がおかしいことにソウスケは気付かなかった。
「いやいや、残念ながら今日は遅刻してないんだよねぇ~」
「は?」
気持ち悪いくらいの笑顔を浮かべたハチワンの意外な答えをソウスケは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてしまった。
「いや~、愛しのわが妹がたまには真面目に会社に行けって起こしてくれたものだからね、広辞苑で。ちょっと頑張ってみたんだよ」
「…あぁ~、またいつものいい訳か」
「いやいやそれは無いね。だってホントにソウスケより早く来たし」
「そんなこといったって」
信じませんっといおうと思ってソウスケは固まった。
ハチワンはソウスケより早く来たと言ったのだ。
もしハチワンがソウスケより後に来たのならば絶対そんなことは言わない。
「どうせすることないから遅刻なんか気にしないんだけれどさ」
そういうとハチワンはとくに気にした様子も無く自分のデスクに向かっていった。
ソウスケは毎日遅刻してる人に言われてもと思ったが、仕事が無いのも事実である。
(……とやかく言われるよりましか…)
ソウスケはそんなことを思いながら自分のデスクに腰をかけた。
「あ、そうそう。昨日のデブリ回収についての報告書、全部ヨロシクNE☆」
「なっ!? 何でそうなるんだよ!?」
ソウスケが机を叩きながら立ち上がり、ハチワンへと講義をする
「あるぇ~、今日遅刻してきて嫌だとは言わないよねぇ~」
ハチワンはすごく楽しそうな声でそういうと、その言葉で遅刻したという負い目があるソウスケは反論できなくなった。
最初からこれが目的だったのだろう。そのため、今日だけ出社時間に来ていたのだろう。もっとも、本当に出社時間に来たかは分からないのだが。
ソウスケは仕方なく、昨日のデブリ回収についての報告書を製作し始めようとして、カナメのことを思い出した。
(いま、何処にいるんだろうなぁ……)
そんなことを思いつつ、ソウスケはカナメがどうなったのかが気になっていた。



御巫の独り言

ここで終わったと思った奴。何勘違いしてやがる。俺のモノ書きフェイズはまだ終了していないぜ!?
マジック発動
「エネミーコントローラー」
説明略
さぁ、→を押すのだ!?


御巫 蓮樺

御巫の独り言
一部ネタバレがございます。不快に思う方も、そうでない方もPart1から読まなきゃいけないんだぜ。
というわけで読んで無い方は←を押しましょう


七人目の暇人
Part2/2


「こ、こだ」
ソレは静かに、しかしはっきりとスチームにそういった。
目の前には航空国防軍の辺鄙な基地があるのだが、見える範囲ではキロハが乗っていたと思われるヘリが見当たらなかった。
「…本当にここなのか? 見たところさっきのヘリは無いみたいだが」
「…まちが、いない」
「ふむ……お前が言うのなら間違いは無いのだろう」
「どうす、る?」
ソレはスチームに指示を仰いだ。
「愚問だ。もう実力行使しか残っていないのだよ」
そういうスチームの顔には怒りしか浮かんでいなかった。
しかし、機械であるソレに人間の表情など分かるわけもなく。
「あの基地を強襲するぞ」
「了解」

ソウスケがようやくデブリ回収の報告書を書き終わった頃、時計の針は5時を指していた。
「はい、出来ましたよ」
「はいはいお疲れ~」
ソウスケは作り終わったばかりの報告書をまとめながらハチワンに渡した。それを受け取ったハチワンはろくに確認もせずに自分のサインを書き、デスクの上においた。
「…少しは真面目に確認してくださいよ」
「いや~、ぱっと見変な箇所がないから大丈夫だよ。それに、うちらの報告書なんてどの部署も真剣に見ないし」
そんなことを言いながら、ハチワンは手元にあったテレビのリモコンを弄っていた。テレビでは夕方のニュース番組がやっていた。
『本日13時に、火星連邦軍所属、スチーム・スカ元少尉が航空国防軍の基地を襲撃するという事件がおきました。スチーム容疑者は駆けつけた火星連邦軍と航空国防軍により逮捕・拘束されました。これによる負傷者は100名ほどで、現在は基地の復旧作業が進められています。次のニュースです』
アナウンサーがニュースを事務的に告げる。もっとも、国営放送なので、感情移入が出来ないという理由もあるのだが。
「いや~、変な人が多いね~」
「ちなみに、彼はこれから軍法会議にかけられて、反逆罪と機密事項無断持ち出し等の罪により、一生を刑務所で過ごす予定です」
不意に入り口付近から声が聞こえ、その声の主が何者かを確認するために二人は振り向いた。そこには荷物を持ったクオがちょこんと立っていた。
「どうも~、こんにちわぁ~」
「やっほ~クオくん」
「あ、これつまらないものですが二人で食べてください」
クオは持っていた袋からかわいらしく、綺麗にラッピングされた物を取り出した。
「お、いつもいつも悪いねぇ~」
「いえいえ、初めて挑戦してみたお菓子なんでおいしいかはわからないんですけどね」
「いやいや、クオくんのお菓子に失敗作なんてないから大丈夫だよ」
「そうですか? そういっていただけると嬉しいです」
「…ところで、お前は何しに来たんだ?」
ソウスケはハチワンと盛り上がっているクオに少し呆れながら、ため息をつきながらクオに本来の目的を思い出させるためにそう呟いた。
「あ、そうでした。また忘れるとこでした。先輩にいくつか質問があります。これは火星連邦軍からの質問です。先輩はスチーム元少尉の配属されていた基地に行きましたよね? その時に、スチーム元少尉に会いましたか?」
クオは本当に忘れていた様子で、急に仕事モードに切り替えてソウスケに質問をしだした。
「あぁ、会ったよ」
「ではもう一つ質問です。ないとは思いますが、その時に何か渡されましたか?」
「あの人は案内してくれただけだし」
「そうですか、どうもご協力ありがとうございましたっと以上で本日の業務しゅ~りょ~。というわけで、三人で何か食べに行きませんか?」
クオは急にプライベートモードに切り替え、ハイテンションで二人に質問をした。
普通の人はその急激な切り替えについていけないのだが、慣れてしまったソウスケと、同じくらいテンションの切り替えがおかしいハチワ
ンはとくに気にした様子ではなかった。
「お、いいねぇ~。じゃあ、今から行こうか」
「…まだ俺らは勤務時間だ」
「いいじゃないか、30分くらい。どうせ何もすることなくすぎていくんだから、時間を無駄にすることはない」
「そうですよぉ~。タイムイズマネーってよく言うじゃないですか」
「そういえば最近、新しいラーメン屋が出来たらしいんだよねぇ~。そこに行ってみない?」
「あ、いいですねぇ~」
クオとハチワンはソウスケと退社時間をとくに気にした様子もなく早々(はやばや)と部屋を出て行った。
「……はぁ…」
「ほらほら、早く来る」
「せんぱぁい、早く来ないとおいていきますよぉ」
ハチワンとクオが揃って大きな声でソウスケを呼ぶ。
ソウスケはあのテンションにはついていけないなぁっと思いつつも、二人の元に歩み寄った。

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