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暇を持て余して壁に貼ってあった『歯磨き週間』なんていうポスターを眺めていた蒼翡は、遠くから聞こえてくるドドドド……という音に気付いて振り返った。
「ん?」
何の音だろうこれ……っていうか段々近づいて来てる?
そう思った時にはもう シパ――ンッ とものすごい音でドアが開いて、鬼の形相で息を切らした中年の男が入って来た。
――な……なんだろう。でもこの部屋に入って来たし、この人が担任の菱田って人かな?
そう思って自己紹介をしようとすると、ヅカヅカとその人が詰め寄って来て、
「君、女装に興味あるかい?」
と聞いて来たので
「は?」
と素で返してしまった。
「急いでるんだ、早く答えて!!君、女装に興味はあるか!?」
「なっ……ないです」
なんだろうこの人!?これ、本当に教師……っていうかこんなのが担任だったらすごくイヤだ………!!
と思ったが案の定
「そうか……いや、残念だ。もしそうなら話が早かったのに………まぁ、どっちにしろ変わらないんだが――僕は君の担任の菱川 透(ひしかわ とおる)と言う者だ。さっそくだが、時間がない。これに着替えてくれ」
そう言って菱川が差し出してきたのは、リボンのついた………
「ぇ、いや……あの、菱川先生………?これ、女子の制服………」
「つべこべ言わずに!いいから着るんだッ!!」
は!?何この状況………っていうか長谷先生!長谷先生はどこだ!?連れて来てくれるって言ったんだから一緒にいるはず……
いちるの望みをかけて長谷先生の姿を探したが、部屋中どこを見回しても人の影すらない。
うっわ。この頭おかしい先生に自分一人で立ち向かわないといけないのか……嫌だなぁ……
「ちょっと……ぁの、最初に聞きますけど、僕の性別分かってます?」
「は?何を言っているんだ、自分が男だということも忘れたのか?頭おかしいんじゃないのか」
えぇー!?この先生に頭おかしいなんて言われたら終わりじゃないのか!?
「――っじゃあ何でですか!それは女子の制服ですよ!?僕は男としてこの学校に入学っ」
「あぁ、それ。悪いけどデータ書き換えさせてもらったよ。今日から君は、女としてこの学校に通うんだ!じゃないと、退学だからね」
「!?」
ちょ……っなんだよそれ、最後の……退学って………!!?
「あぁ、もちろん女装するのは学校にいる間だけだよ?家にいる時や休日は普通に男でいていいから、大丈夫だよ」
いや、大丈夫ってどこを見てそう言って……
「とにかく、時間がないんだ、早くしてくれッ!!さぁ、女装か退学か……どっちがいいんだ!?」

 それ、究極の2択にもほどがあるから………ッ


  * Hope Love *