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「えっと~……じゃぁ、あの、ホームルームを~………」
菱田は担任が入ってきてもなお変わらず騒がしい教室の前に立ち、恐る恐るそう声をかけた。
そんな菱田に向かって、ある男子生徒が声を出す。
「つかさ、思ったんだけどぉ、毎日まいッにちこのホームルームって必要なワケー?」
「俺も俺もーそう思ってた!だってどーせ出席とるだけだろォ?」
「んだよなぁ。ヒッシーが自分で人数かぞえてればいいことじゃん?俺らは外でバスケでもしてた方がゆーいぎな時間の使い方、ってもんだょ」
幾人かの男子生徒が「なぁ?」と言いだすと、次第に『やめろ』コールが教室中に響き渡り出す。
「でっ、でも……今日は」
「はァ?ヒッシー、聞こえないわけ?俺たちは ヤ・メ・ロ つってんだよッ!!」
その中の一人の、強面の男子生徒がそう言って菱川の胸倉を掴みあげると「ヒッ」という小さな悲鳴と「いいぞー」「やれやれ」という歓声が沸き起こった。
「あ、あのでも今日は、重要なお知らせが………」
「お・し・ら・せェ~~?」
興味なさそうにその男子生徒は吐き捨てて顔を歪めると、その恐顔をズイッと菱川の前まで持ってくる。
「そんなのなァ、女子が転校してきたトカ以外は俺ら聞く気ねェからさぁ、さっさと帰れって」
「そ、、そうそうそうなんだよっ!!」
菱川は男子生徒のその言葉を聞いた瞬間、首を千切れんばかりにブンブンと縦にふった。
「………は?ヒッシー、今なんつった?」
男子生徒は菱川のその言葉を聞くと、まるで自分の耳を疑うように、もう一度聞き返した。
「だ、だから転校生が……ただ、女子じゃな」
菱川の次の言葉は、教室全体に響き渡った男子たちの歓声でものの見事にかき消された。
「ぁ………」
捕まれていた手を放され、床に落ちた菱川はその教室のようすを見て、サァーッという血の気が引く音を聞いた。

 ―― 今さら女子じゃないなんて言ったら、 こ ろ さ  れ  る  ……   !!!

「ぁ、じゃじゃじゃじゃぁ、今から連れてくるから!少し待ってて!!」
そう言い残して、必死で教室を飛び出して行った。


  * Hope Love *