日米交渉不敬犯保釈願


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日米交渉不敬犯保釈願
 拙者事、大正四年九月中北米合衆国ワシントン州シヤトル市に於て高橋領事に捕へられ、日本汽船に積み込まれ、牛馬犬鶏荷物と同時に安着し、不敬犯被告として当所に送られ候以来既に一年余、別して為す事も、御調べ受くる事もなく、只時々御法廷に於て手習相受け候のみ、手紙接見は勿論、名を呼び札を掛ける事すら禁ぜられ、只『四十号』として特別の御待遇相受け、日夜神仏に祈願をこめ只管冥福を祈り候折柄、昨年十二月二十六日幸ひ予審免訴と相成、青天白日愈々出獄旧所へ送還の日を夢み、自殺も思ひ止まり候も束の間、直ちに検事に抗告され、何の御取調もなく今日に至り尚此上何年かかり、如何なる事に成り行くかと恐懼措く所を知らず、夜の目も碌々合ひ申さず、身体は痩せ、目方は減り、只死期を待つのみの状態に之有候へば、特別の御憐愍を垂れ、何卒保釈御許可の御決定相願度、懐中に一物もなく、腕に羽翼も生へ不申候へば、逃げも匿くれも出来不申、知りもせぬ事にて、米国の事に有之候へば証拠の煙滅も出来不申、何卒此処の道理を聞き分けて御許可成し下さる様幾重にも嘆願仕り候、御許可の上は山崎弁護士の同情に甘へ同氏宅に謹慎罷在り御呼出の節は必ず即刻出頭仕るべく、記録の所在する貴院に此段及嘆願候
 大正六年三月十日    在横浜監獄人 [甲野太郎] 拇印
             東京市芝区新桜田町十九番地 弁護士
             保証人 山崎今朝彌 印
東京控訴院第三刑事部 御中
<[ ]内仮名>
<山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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