年頭の感想(大正八年)

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年頭の感想(大正八年)  久しい間年賀状を出す事を廃めたら来る年始状も段々少なくなり聊か寂寞を感じた。成程虚礼でも年賀状位は出すべきもの、来年は一つと考へた。  大晦日は九時頃寝て朝七時頃起き飯を食ふて記録を調査した、どうも新年気分になれない。内では何故門松を立てぬかと小供が問ふ。来年は立てる気になる、今に屠蘇も買ふ、年賀にも廻る、年取もすると云事になるだらうと思へる。  今年の年賀状には平和、民本、物価騰起と云ふ字が一番多かつた例年の戦勝だの軍国だの云ふ文字は少かつた、『世界統一』は田邊喜一弁護士のが一人つ切り。  正月早々から聞いた本年の話は裁判に対する非難であつた、裁判官のみが一人世に後れる様な気がする、日本も或は裁判から何か起りは為まいかと考へる、僕の予言は何時でも妙に中る、滅多な予言はもう為まいと考へる。  感心したのは懲悪新聞の広告、ザツト二千円はある、僕も何処かへ交換広告を忘れてはなるまい。 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>

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