※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

二人がかりでも勝てない

俺の席の斜め向かいの美人さんは、いつも冷静だ。
隠す事なんてせず、愛をありったけぶつけてみるものの全く手ごたえ無し。
薄いレンズの眼鏡の先にある目は、あっさり俺をスルーする。

まぁ俺って頼りないし、へたれだし。今日も昼飯一緒に食おうって誘った。昨日も誘った。
また断られた。昨日も勿論。

がっくり項垂れてたら、更に斜め向かいの例の奴が、美人さんをメシに誘ってやがる。
お前もか。そうだいつも俺らは振られている。
けど今日は俺だって負けちゃねぇぞともう一度誘いに行ってみる。
一度断られてたからって知るか。

「何だよお前、今俺が誘ってんだよ」
「うるせー俺だって美人さんと飯食いたいんだよ」
「お前もう断られただろ」
「お前ももうすぐ断られる。昨日もだったしな」
「いいや今日は奇跡が起きる気がする」
「俺だって起きる気がする。俺自身に」

男二人弁当箱抱えたまま、ぎゃーぎゃーと言い合いする。
その間も美人さんは冷静だ。弁当箱は出したまま。
そろそろ胸倉の掴み合いに発展しようかってとこで、ふぅっ、と吐かれる溜息。

「お前達うるさい。それだったら3人で食べればいいだろう」

完全停止して数秒、自分の弁当箱を開け出す美人さんに続けと
急いで自分らの席から椅子を引っ張って来る俺ら。
あぁもう。2人がかりでもこの冷静さには勝ちようがない。