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ttp://www.excite.co.jp/News/bit/00091129788010.html「抱擁売ります」

「やあ…君が?」
「ええ。お届けにきました」

早速金を払おうとする客に、刃ミッシュは手で制す。
「後でいいですよ」
客はゆっくり首を振った。
「…幸せな気分を残したまま、かえって欲しいんだ。
 素敵な送りものを受け取った後に、こんな生臭いことなんか」
肩をすくめて言った客に刃ミッシュは笑って金を受け取った。

そして、腕を回す。
優しく、壊さないように、そっと。
相手が首に顔を埋めたと判ると、ゆっくり腕に力をこめはじめる。
客は目を閉じて数を数えた。
1,2,3。
ああ、懐かしくて気持ちがいい。
刃ミッシュは年下なのに、まるで父親に抱かれているような。
5,6,7。
じっと二人は抱き合った。
会話はない。ただ、二人で幸せそうな笑みを浮かべるだけ。
60秒間の、優しい時間は涙が出そうな暖かさに包まれていた。