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兄弟子×弟弟子

「…今日はここまでにしておこうか」
「うん」

約3分の沈黙。2回の長いため息。かなり疲れているようだ。

「あのさぁ先生」
「ん?」
「魔法を使うのに理論や知識って、やっぱり必要?」
「そりゃあ、あるに越したことはないさ」
「じゃあ要らない?」
「ある程度知らないと、お前が望んでいるような上級魔法や剣との複合技は使えないと思う」
「そうか…」

約5分の沈黙。本がどさりとソファに置かれる音。微かな虫の音。
ふらふらと彷徨った後に突き刺さるような視線を感じた。首を傾げて応える。

「先生は上級魔法も使えるんだよね」
「ある程度はな」
「能力を分け与えるっていう魔法もできるんだよね」
「まぁ、すぐにとはいかないけれど、一応できると言えばできるが…何故」
「僕にちょうだいよ。先生の能力」

時計の針の音が消えた。すぐ目の前に、彼の顔があった。

「ちょうだいよ、俺に」
「センセのチカラ」


無音の時の中で、ふたつの鼓動が重なった。