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高校生にしかみえないけど実は中学生×どうみても中学生だけど本当は高校生

「お久し振りっす、先輩」
雑踏の中でもはっきり聞き取れる声には聞き覚えがあった。
あぁ、部活一緒だったあいつか…ゲームとかの好みがよくあった奴だ…と風貌を思い出しながら振り向く。
あれ。
顔があると思ったところは首の下だった。視線を上にずらすと、変わらない笑顔があった。
「びっくりしました?」

「いやぁでも偶然っすねー、びっくりしたっすよ」
まさか俺もお前がそこまで背が伸びたとは夢にも思ってなかったし。
「でも先輩何にも変わってないから、一発で先輩ってわかったし」
悪いな、俺の背は生憎この春から伸びてないんだよ。高校の制服着てなきゃ高校受験の塾の勧誘がうるさいし。
「それにしても…先輩、制服の袖」
言うな。頼むからそれ以上言うな。まくってごまかしてるけど余ってるって言いたいんだろう?
「そう言えば、もう先輩は部活には顔出さないんすか?」
ただでさえ高1で可愛いかわいい言われてるのに…『可愛い』先輩だとかはもうごめんだ。
ふと黙り込んだお前を訝しげに見る。俺もお前くらいの時、今のお前みたいに背が伸びるもんだと思ってたな…
目が合った。俺が覚えてたお前はいなかった。気まずくて自分から視線を逸らしてしまった。
「もし良かったら、また来てください。俺でよければ相手しますから」
生返事で、逸らした視線をごまかすために携帯をポケットから出す。お前が、記憶の中とは少し違う笑みを浮かべた。
「先輩、…気が合いますね」
同じ色の携帯が差し出されて、俺も表情を崩した。

背が低かったり、童顔だったりすると変に気苦労する。
逆に、背が高くなり急に大人びたあいつも、違う苦労をしたんだろうか。
どうやら、俺の背が止まった時期と、あいつの背が伸び出した時期は同じらしい。
俺の分あいつの背が伸びたのなら、それでもいいかと思って携帯を開く。
さすがに制服の袖も、あいつの名前までは隠せなかった。