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初恋の女の子

「なぁ、また告られたんだって?」
「なに聞こえねー」
昼時の食堂はうるさい。お前の声は低くて良く透るから、
すぐに何を言ってるのか分かったけど、そのまま聞こえなかったことにした。

「俺今日のおすすめ定食にするー。つか、お前ばっかもててつまんねえな。
ここにも男前がいるのに」
そうだよな、お前本当に男前だよな。
ただのクラスメイトがボコられてんの、一人で止めにきて
相手みんな倒しちゃうくらいかっこいいよな。
「とりあえず授業で涎たらすまで熟睡すんのやめればいよね」
「で、どうすんの?あの子いいにおいするよね。いただきます」
「どんだけ接近戦なんだよ。いただきます」
「偵察、偵察!んで、周りもしっかり見えてるよね」
お前もな、良く人みてるよな。おせっかいで、
あんまり他人が突っ込んでこないところにも入ってくるし。
俺人付き合い好きじゃないのに。
「さらに、あの子お前が初恋だとよ。
でも初恋は実らないって、ばぁちゃんがいってたからねぇ」
「まぁ…人によりけりじゃない?
て、何人のおかず取ってるの?」
俺の初恋も実らなさそうだ。


「俺は、初恋は叶うと信じる派」
人が引けたテーブルはうるさ過ぎず静か過ぎず、お前は今度こそ話をそらすことを許さない。
「で、告白するの?」
低い声に首筋がむず痒い。
「どうしようかなって」
のど元まででかかった言葉を
苦手なしいたけと一緒に飲み込んだ。