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良く喋る新人×口下手な上司

「…だからぁ、俺思うんですよねあんた結構えろいですよね」
ことの後のバスルームでぼくの髪を洗いながら、エー君は世間話でもするように切り出してきた。
「…ン?」
「…結構スキものですよね、かかりちょー。」
エー君の指は細くて優しい。いつもどおりにぼくの頭を丁寧に洗ってくれている。
スキもの?…あれ、この子、もしかして怒っているのかな、声がいつもと違う気がする。
「俺こないだアサヒドーのシーさんにあったんですよ、したらシーさん言うんすよ、
あなたンとこのビーさんが最近こなくて寂しいって変な目つきで」
…シーさんの目つきが変なのは前からだよ、あの人ああいう人なんだ…じゃなくて、…。
エー君の言いたいことが分からない。ああいつもより今日はシャンプーが長くて丁寧だなあ。ぼくはさっきから一度もなにも答えてない。
早くなにか答えないと、なにか、なにか…。
「…あの、ごめんね」
バシャ!
「やっぱり『そう』なのかよ!ビーさんの馬鹿野郎!!」
…お湯をかけられた。『そう』って、何だろう。
もしかしてシーさんと寝てぼくがアサヒドーと会社の繋がりを作ったことに怒ってるんだろうか。
潔癖性だもんな。汚いやり方知らなそうだし。何で気づいたんだろう。
あ、会社のだれかが言ったのかな?みんな知ってるもんな。
それともシーさんがホントははっきり言ったのかな。
考えてると、後ろで嗚咽が始まった。ああ、ごめんね。
何か言ってあげたいのに、ぼくはものを言うのがとても下手なんだ。
だから、振り向いて、ぐしぐし泣いているエー君を抱きしめた。君は聡くて、いい子だから、もうじきぼくから離れてくね。
腕の中でエー君の嗚咽がどんどん落ち着いていく。エー君の体はとてもあたたかいなーとぼくは思った。