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八方美人×人付き合い不器用

ああ、またどうでもいいこと話しかけてくる。
だから嫌だったんだ飲み会なんて。
さっきからずっと誰かに話しかけられては曖昧に笑って、笑って、もう疲れた。帰りたい。

「飲んでる~?」

ああ、まただ。今度は誰だよ。気の利いた話なんかできないよ。あっち行ってくれ。
声の主は同じ部署でも愛想がよくて人気者。誰とでもそつなく付き合っている奴。
俺とは正反対の奴。
奴はうんざりしたような俺の表情が目に入らないかのように隣りに腰を下ろした。

「そういやさ、こんな話あるんだけど」

言いながら話し始めたのは仕事のくだらないエピソードやら学生の頃の失敗談やら。
軽妙な語り口が小気味よくてついつい聞き入ってしまう。
それに気づくと奴はふっと笑みを浮かべた。

「やっとしかめっ面じゃなくなった」
「え?」
「誰かに話しかけられるたびにビミョーに嫌そうな顔してたでしょ。だから話すのは嫌でも聞くだけなら
楽しんでもらえるかなって。んで、俺のかなり気合入れたネタばっか披露してみた。」

俺みたいなのに気を使ってくれたらしい。こいつが人気あるのがすごくよくわかった。
同時に、こいつの周りでいつも楽しそうに話してる奴らを思って少し切なくなった。