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園児にふりまわされる保父さん

「太郎くん、お父さん遅いねえ」
「太郎って呼ぶなって言っただろ、山根」
「じゃあ僕も山根先生って呼んでね。なんで太郎くんって呼んじゃいけないの?」
「今支持率下がってるやつと同じ名前だし、昭和の名前だし」
「昭和かもしれないけど…」
「もう少し平成な名前が良かった」
「平成な名前ねえ…。先生はふりがなが振ってないと読めない名前より
太郎くんみたいな名前の方がいいけどね。あ、これは皆に内緒だよ」
「先生彼女いる?」
「…は?」
「バレンタインは園長先生とさとこ先生とみっちゃん先生からもらってた。
本当はもっともらってるんだろう。顔だけはいいからな」
「いやいやいやいや。あのね。世の中にはね。職場環境を円滑にするために
大人の知恵ってものがあるんだよ、太郎くん」
「子供相手に何言ってんだよ」
「じゃあもっと子供っぽい質問して下さい」
「年収いくら? 保父さんってあまりもらえないんだろ?」
「……僕は生きがいをもらっているんです。太郎くんも大人になったらわかるから」
「ひきつってるよ、先生」
「太郎くんの気のせいだよ」
「お父さんの事どう思う?」
「お父さん?」
「かっこいい?」
「そりゃ、かっこいいんじゃないかな? みっちゃん先生なんかお父さんがくると
声が1オクターブあがってるよ」
「お父さんね。どうしてお母さんと別れたか知ってる?」
「太郎くんって大人が困る質問ばっかりするねえ」


「お母さんに愛情がもてなかったんだって」
「……そっか。でもそういう大人はたくさんいるよ」
「好きになろうとしたんだって。でもやっぱり愛せなかったって」
「そういう家庭ってたくさんあるよ。太郎くんのところだけが特別じゃない」
「お父さんがホモの家庭も多いの?」
「は?」
「知らないの? 男の人しか好きになれない人種なんだって」
「いや、知ってるけど!」
「偽装で結婚したんじゃないらしいけど、やっぱり男の人の方が好きだってわかったから
お母さんに悪くて離婚したんだって」
「あはははは。そうなんだ」
「それでね。お父さん、山根の事好きらしいんだよね」
「……はあ?」
「山根もお父さんと同じ人種なんだろ?」
「いや、ははははは」
「山根はいいやつだから、お父さんが寂しいならいいかなあって」
「太郎くんはやさしいね。でもその話ならもうしないでね」
「なんだよ」
「そーゆーのは当事者同士が考える問題なの。第三者は手出し出来ないの」
「じゃあ山根は当事者になるつもりがあるの?」
「……うーん……」
「お父さんすごいお金稼いでるから、山根と俺ぐらい養えるよ」
「……僕は男だから養われたくはないですよ、太郎くん」
「お父さんの事きらい?」
「いや、きらいってわけでは……」


「太郎! 遅くなってごめんな」
「お父さん!」
「山根先生、いつもすみません」
「い…いえ! お気になさらず!」
「じゃあ、太郎。帰ろうか」
「うん、お父さん」
「お気をつけて」
「山根、山根。俺気がついちゃった」
「な、何が?」
「山根も声が1オクターブあがるんだ」