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生意気な後輩に手を焼く先輩


「だ・か・ら! どうして白い靴下をはく、ただそれだけのことができないんだ!」
「やる気ないからじゃないっすかね」
へらへら笑うバカの頭を一発はたく。
どうして校則が厳しいことで有名なうちの学校に来たのか疑問なレベルで、こいつは校則違反常習者だ。
だから毎日下級生の指導担当の僕が呼び出されては指導する羽目になる。
「御託はいい、やる気を出せ! お前は張子の虎か!」
「出していいっすか?」
表情は相変わらずへらへらしているが、心なしか目が鋭くなった気がする。
「できるなら最初からやれ! そもそも何でこんなに違反ばっかりするんだ!」
それはもう、校内新記録を塗り替えるレベルでひどい。むしろ狙ってるんじゃないだろうか。
「何でって、そりゃ違反する度に先輩と二人っきりでデートできるし」
「……は?」
何を言い出すんだこいつは。
「怒り狂って顔真っ赤にしてる先輩、超かわいいっす。普段が人形みたいだからなおさら」
「ふざけるな!」
「いやいやマジっす。なんなら証拠見せましょうか」
奴はおもむろに立ち上がったかと思うと、机を飛び越えて僕の隣に滑り込んできた。
「なっ!?」
僕が反応するより早く、奴は僕を机に押し倒してキスをしてきた。
パニックになって暴れる僕を器用に押さえつけ、逆に足をとって机の上に座らせるという無駄な器用さまで見せてきた。
「もっと証拠必要っすか? なんならここで全部いただいちゃいますけど」
「なにっ、何言って」
「あー、先輩マジ可愛い。かわい~くおねだりしてくれたら、違反の回数減らしますよ」
……どうやら、堪忍袋の緒が切れる音というのは実在したらしい。
「ぐおっ!?」
「ふざけるなっ! 僕が身長気にしてるの知ってるくせに!」
隙を見て一撃をくらわせ、指導室から逃げ出す。
「一週間の罰掃除! サボるなよ!」
「先輩が見ててくれるんならやりますよ~」
床に座り込みながらへらへらと手を振る、あいつの神経が分からない。