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0.00003%の確率


「実は僕達ってすごいんだよね」
唐突に隣に座る友人が呟いた。

季節は冬、ぬくぬくと炬燵に潜っていた俺を電話で叩き起こしいきなり「星を見に行こう」と誘ってきたこいつとは、もう長い付き合いになる。
家が近所で幼稚園に通っていた頃から一緒に遊ぶことが多く、何かにつけてセットにされたものだ。
そんなこんなでこいつの性格から何からを知り尽くした俺は急な誘いに驚くこともなく、「まあこいつだしな…」と渋々温もりから這い出た。

「で、何がそんなに凄いんだ?」
近所の公園のベンチに二人並んで座りながら星空を見上げる。田舎だけあって空は澄んでいて、今日も星がよく見えた。
「考えてみなよ!僕と君が
地球に、人間として、日本のここに、同じ年に生まれて、出会って、仲良くなって、今一緒にいる。
偶然とか必然とかよく分かんないけどさ、これってすっごい低い確率だと思うんだよ」
「例えば?」
「そうだな…きっと0.00003%ぐらい」
「ほぼ0じゃん」

「だからこそ、僕達がすごいってことだよ」
空から逸らされた二対の目が俺を見詰める。きらきらという擬音語が付きそうなほど輝く視線に思わず笑ってしまった。
「笑うなよー」
「ははっ、悪い。そうだな、凄いな俺達」
「だろ?!」
「凄い凄い。何たって幼稚園から大学まで一緒だからな」
笑いながら頭を撫でると、「子ども扱い駄目、絶対!」と抵抗される。
「これで就職先まで一緒だともう伝説だけどな…」
「いいじゃん、伝説」

「それに、僕は生まれ変わってももう一回0.00003%になりたいよ?」
あぁほんとに、笑顔が眩しい奴だ。

「…俺も」