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獣人×獣人


「グルゥ…グルルルルル」
よだれを垂らし唸る友人の姿に俺はまた頭を抱えていた。
また暴れ出すのか、最近多くないか。面倒見る俺の気持ちにもなれつてんだよ…
ボヤく間もなく喉に噛みついて来た奴に何とか抵抗する。全力ではなさそうだがそれでも痛いものは痛い。殴り飛ばそうと出した腕を掴まれ、引っかかれ、負けじとこちらも蹴り飛ばす。あっ今金的蹴っちゃったすまん。
ふぎゃん!とまぬけな声を出して蹲る友人をすかさず押さえ込んだ。
こちらを睨みながら股間を抑える友人を見て、ようやく俺は一息ついたのだった。

俺の友人はヘタレだ。
好みの雌を見つけたと思ってもいつの間にか別の雄に取られてるんだ、とは本人の談である。
発情期に雌と会えばお互いムラムラしてんだし交尾するチャンスも増えるってもんだが、運の悪い事に俺らは決まった発情期を持たないライオンであった。
そうして性欲は行き場もなく溜まっていき、時折前後不覚になるほどに友人を暴れさせる。
俺はこいつを止められる唯一のストッパー役だ。こいつの知り合いに、同じ位のガタイで暴れ出すこいつにちゃんと太刀打ち出来そうなやつは俺だけしかいなかった。
「フーッ、フーッ…はぁ、あ、い、ぃいってええええええええ!!!!」
「うおっびっくりしたあ!いきなり正気に戻ってんじゃねえよ!」
「へ、あ、正気?俺またぶっ飛んでたの?ってか、それにしたって金的はやめてよぉ…」
先程までとは別人のような哀れっぽい声に思わず笑ってしまう。
「すまん。ちょっと事故った」
「笑い事じゃないよ!あぁぁ、こいつ使い物にならなくなったらどーすんの。お前、」
責任取ってよ。
ぴくりと、口の端が震えた。
「っは、どうせ使う機会無いんだから不能でも問題ないだろ」
「ひどいよ!あー畜生、俺だっていつか…」
ぶつぶつと愚痴る友人にこっそり溜息をつく。ばれていないようだという安堵と、ほんの少しの落胆。
全く人の事言えないね、俺も。
「…責任位いくらでも取ってやるよ」
「あ?なんて言った?」
「や、何でもない」
「ふーん。…なあ」
「ん?」
全身に残る傷。噛み傷、引っ掻き傷、痣、その他諸々。
こいつが俺の事好きな証。俺がこいつの事好きな証。そして、お互い未だ踏み出せていない証。
俺が吹っ切れれば俺はもう暴れなくて済むしその度にお前を勢いでぶち犯さないか恐怖しなくていい。
けど、どんどん好きの証が増えるお前の体に悦楽を覚えるのも、事実なんだ。
お願い。お前から踏み出して。

そしたら俺、今度はちゃんとお前の事大事にするから。

「ごめんな」