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絶望×希望


目覚めると、光の無い場所に私はいた。
自分の存在すら危うくなりそうな漆黒の闇に、私は包まれていた。
不安ではなかった。闇は、ずっとここにいたいと思うような心地よさで私をあたためた。
時折聞こえる囁きは、寂しさを拭ってくれた。言葉はわからずとも、その存在を感じていられた。それだけで充分だった。
永遠に思える時を共に過ごしてくれたのは、その漆黒の闇だけだった。

ある時、真上から光が射し込んだ。
その瞬間、闇は大きくうねりながら光の方へと消えた。
行かないでくれ――と叫ぶ暇もなかった。
光は私を照らしたが、その刺すような眩しさは私にとって苦痛でしかなかった。

人は私を、箱の中に最後に残った希望と呼んだ。
闇は、絶望を招く災厄と呼ばれた。
あの闇が、どれだけの時を私と共にし、私を慰め続けたかを知らずに。
私にとっては、あの闇こそが希望であったことを知らずに。