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通り雨 通る頃には 通り過ぎ

「うげっ、雨」
そういえば今朝ニュースで梅雨前線がどうとか言ってたっけ。
それにしてはまだ梅雨には早いだろう。こないだ桜が散ったばっかりなのに。
なんだか最近季節感が狂っている気がする。
傘もささないままぼうっとしていたら、すぐ雨は止んでしまった。
ああ、こういうの通り雨って言うんだっけ。あいつから教わったなあ。
あいつもそんな風に消えちまったなあ。急に来て、急に消えて。
立つ鳥後を濁さずと言うが、あいつは思い切り俺の心を濁して行った。
だから俺もむかついて、すぐ別の男に恋をした、ふりをした。
ふりというか、恋をしたかったんだけど、出来なかった。
何でだろうと考えれば、やっぱりあいつの存在感のせいで。
いっそ死んでしまっていたなら吹っ切れたのに。

全てが遅すぎたのだ。恋をしたと気付いた頃には、通り雨は止んでいた。
そして止んだ筈の雨は、俺の心を未だに湿らせる。
「あーあ、あのバカどこで何してんだよ…」

バカ面写真が同封されたエアメールが届くのは、それから3ヵ月後。