猫気質×犬気質

俺の恋人の深山さんは、忙しい人だ。
俺の仕事も決してヒマというわけではないけど、少なくとも8時には退社できる。
深山さんといえば、早いときは定時だけど遅いときは午前様。
今日は何時だろう。
毎日のように、弁当か、パンか、それとも食後の甘い物か、
考え考えコンビニで立ちすくむ。
メールで聞けば良いんだろうけど、邪魔にならないだろうか、と思っている内に
夜になっちゃって、今日も少ないヒントを頼りにいつもの長考だ。
(今日は差し迫った仕事とは言ってなかったから、弁当か……?)

9時にドアチャイム。今日は早かった!あたりだ!
大急ぎでドアを開けると、にこやかな深山さん。
「おかえりなさい!」
と飛びつくと、
「お腹空いたよー、なんか食べるモンない?」
抱擁もそこそこに夕食の催促。
弁当を食べ終わると
「なあ、しよっか」
後ろから抱きしめられて、否応なく一緒にシャワー、一緒にベッド。

最近気付いた。深山さんってマイペース。というか、俺が合わせすぎなのか。
だけど惚れちゃったから。いつも待ってたいんだ。
俺ばっかり好きみたいだけど、しょうがない。
「ねえ、深山さん、なんで俺のこと構ってくれるの……?」
密かに必死の思いで聞いてみたら、
「何でだろ、わかんない」
限りなく眠そうなぞんざいな返事。
思わずシュン、となると
「……居心地がいいんだよね、お前が可愛がってくれるから」
満足げに「おやすみ……」と俺の髪に鼻を埋めた。


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最終更新:2013年08月09日 02:53