放蕩男×堅物男

「何時だと思ってるんだ」
「えーと、8時?9時?くらい」
「午前2時だ」
「あはは、ごめん時差ボケ」
「今度はどこまで行っていた」
「西の方。あー、やっぱ日本は涼しくていいわ。向こうはずっと空気がカラカラでさ」
「へえ」
「元気だった?」
「ああ」
「そっか、そりゃ良かった」
「…………」
「…………」
「…………。で」
「あのアパート、家賃滞納で追い出されました。泊めてください」
「そういう事情なら仕方ない。あがれ」
「あれ。あっさりだな」
「不満か?」
「いやいやいや、そんなことないけどさ。ただお前のことだからすげえ説教を」
「いつまでも玄関先で話していると近所迷惑になる。それに」
「それに?」
「今更だろう」
「あー……今更、かー…」
「ああ」
「……うん。ごめん。でもってマジ恩に着ます。感謝感激雨あられ」
「いいから早く入れ」
「はいはい。それじゃ、ただいまーっと」
「ああ、おかえり」


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最終更新:2013年08月09日 02:52