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愛してない

「先生、このメモ用紙に書いた言葉を声高にはっきりとちょっとネイティブな発音で
読み上げちゃって下さい」
「俺は先生じゃないし今は夜だから大きな声は出したくないし日本語をネイティブな
発音でってどうやるんだって話だし簡単に言えばお断りだ」
「うわーんお願いだよー俺の全財産でチロルチョコ(きなこ餅味)一個買ってあげる
からー!!」
「全財産が二十円ってどれだけ切迫してるんだお前!というか何故よりにもよって
その味をチョイスする!!」
「え、美味いじゃんアレ。…何か間違ってる気がするけど」
「まあ美味いよなアレ。…何か間違ってる気がするけど」
「ってそうじゃなくて!なあ俺達恋人だよね!?付き合ってるよね!?100万ドルの
夜景の下で病める時も健やかなる時もちょっとエッチなビデオを見る時も一緒にいる
って誓い合った仲だよね!?」
「正直最後の誓いをした記憶は無いんだが…まあそうだな」
「じゃあ『愛してる』位言ってくれてもいいじゃないか!ネイティブな発音で!」
「いい加減ネイティブな発音から離れろ。大体な、そういう言葉は無理やり言わせる
ものじゃ無いだろうが」
「…じゃあいつ自発的に言ってくれるんだ?」
「…五年後?」
「おーねーがーいーだー!」
「あー煩い転がるな埃を立てるなタンスの角に足の小指をぶつけるな!」
「いや最後のは不可抗力…つーかちょい待てマジで痛…」
「自業自得をここまで見事に体現した奴も珍しいよな」
「心配の言葉も無い…うううやっぱり俺は愛されてないんだ…ロンリーだ…ロンリー
ユーなんだ…」
「英語がおかしいぞ」
「ううううう」
「人間の言語を話せ」
「ううううう」
「……愛、くらいのものが無いとこんな阿呆な会話に付き合ってられないと思うんだが」
「なーんかいったかー」
「別に何も。というか腹減ったんだがコンビニにでも何か買いに行かないか?」
「…チロルチョコ(きなこ餅味)が食いたい」
「…そう言われると何だか俺まで食いたくなってきた」
「じゃあ俺が買ってやるからこのメモ用紙に書いた言葉を」
「だが断る」
「ケーチケーチ」
「何とでも」

「…素直じゃない奴」