※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「お前は本当にバカだな!」

超展開ホラー触手注意

その夜
村のスタア様ご帰還に沸いた村人たちによる大歓迎会が開かれた。
季節感ナシのマグロにカツオが豪勢に並び、酒が振舞われた。
長身の青年が提案し、さらに宴会参加者全員が賛成挙手し、エイジが強制的に裸にひんむかれたりする場面もあった。

裸に腰タオル、全身酒まみれというズタボロのエイジは歓迎会の行われた海辺の旅館から、長身の青年に抱きかかえられるようにして脱出した。
「くそーーー総一の馬鹿ーはなせー、俺を裸にした奴のてなんかーかりたくねーーーーー」
「エイジうるさい、酔っ払いすぎ」
そのまま旅館の隣にある総一の家へと何とかたどり着く。
まるで荷物でもおくように、べちゃっと玄関先にエイジを放り出し総一はウーロン茶のペットボトルに口をつけた。

「うーん、うーん、さけくさいー、べたべたするー」
「そりゃ日本酒を頭から浴びりゃーそうなるよ」
玄関先でタオルいっちょでうねうねするエイジが可笑しくて、つい意地悪をしてしまう。
飲みかけのそれなりに冷たいウーロン茶をエイジにぶちまける。
「うわ、冷た!」
そのままエイジの腹に触れると日本酒と汗とウーロン茶が混ざり合ってぬるりと妙な感触がした。
「う、わ、ちょっと、やめ」
そのぬめる感触のまま、日焼けしてない腹から胸へと手を滑らせていく。
「都会でも大人気みたいじゃないか。ねえ、さつまあげ?」
玄関先であるにもかかわらず総一はエイジにのしかかり、肩や喉を噛み散らす。
「な、なんでお前がそれを…!」
「俺が広めたんだもの」

さつまあげ、とはネット上のコミュニティにおけるエイジのあだ名、というかエイジを指すスラングだ。
大物声楽家の作品に参加するうちに頭角を現し始めたエイジにはネット上でも話題になることが多くなった。
そんなとき
「エイジって英語でageだよね、苗字とつなげたらsatumaage さつまあげじゃん」
という話がどこからともなく広まり、すっかりエイジのあだ名がさつまあげになってしまったのである。

「あ…そーいちが?まさか…、ホントに?」
顔を上げ至近距離で目を合わせると、にたりと人の悪い笑顔を滲ませ総一は頷く。
「こんなど田舎にもネットはつながってるんだよ」
なんでそんなこと…と思うのと同時に、総一が自分への批判や称賛、嫉妬や慕情が渦巻くネット上でのコミュニティに
参加していたことにショックを受けてしまう。
「なっ、なんでだよ!なんでそんなことしたんだよう!」
酔いもあいまって、なぜか涙腺が崩壊しそうになってしまう。
勝手に総一たち故郷の仲間のことは聖域としてしまっていたようだ。
その仲間があんなコミュニテイに参加していたなんて!
軽くパニックに陥っているエイジを落ち着かせる為に、総一はついばむようなキスを繰り返す。
「だって、エイジが遠くに行ってしまうような気がしたから。
だから、中学時代のあだ名でつなぎとめようとした。稚拙な手だと思うだろう」
「…へ?」
そうだ、もともとさつまあげとはageという綴りを習った時に発生したあだ名だった。
「約束したよね?週に一回はメール頂戴って。忘れてたでしょう」
「あ……ごめん」
「本当にそう思ってる?俺がどれだけ不安になったかわかってる?わかってないよね?」
その問い詰めるような口調にひゅっと息を呑んでしまう。
ここは玄関だ。外の街灯の光しか明かりが無い状態で、総一の表情は逆光になってよく見えない。
しかしゾクゾクと恐怖とそのほかの感情がエイジの尾てい骨から背骨を這いあがる。

「おしおき、だね」

ぞるっ、と総一の影からいそぎんちゃくのような触手が這い出てくる。
それは自在に動き、逃げようとするエイジの足首と手頸を掴み縛り上げてしまう。
「総一、そういち、やだよやめてよ…ひぐっ!」
「やめない。エイジは触手が苦手だよね、おしおきにはちょうどいいよね」
確かに、エイジは触手が苦手であった。見るのも、触るのも、単語を聞くことすら嫌だった。
それは幼馴染で、仲間で、…恋人でもある総一が普通の人間ではないことを示すものだったから。
この他地域から隔離されたような僻地に人が住み続ける理由。
それは、この触手を操る人によく似た生き物が平和に暮らすため、それだけである。
最近では大分触手も減り、ただの寒村になりつつあるが時折思い出したように強い力を持つ子供が生まれることがある。

「む、ぐぅっ、うん」
蛸足のような触手がエイジの口にねじ込まれる。それは喉を犯すように侵入し、窒息と紙一重の快感を与える。
総一だって滅多に触手なんて出さないし使わない。
しかし感情が振り切れたり、何かのたがが外れてしまうと無造作に触手を繰り出してしまう。
おかげで総一はどんなに都会に住みたくとも、この里を離れることはできないのである。
口に気を取られている間にも無数の触手がエイジの肌を這いまわり、仄かな快感に火をつけていく。
気持ち悪いのに、キモチイイ。
「キモチイイ?」
玄関マットの上で触手の粘液や汗にまみれ芋虫のように転がるエイジとは好対照に、
総一は相変わらず街灯の光を背負い、エイジを真上から観察していた。

「良くない!」
答えを得るために解放された口からは、叫びがとびだした。
それは宣戦布告、触手には屈しないといった攻めの一手であった。
スッと総一のまとう空気が冷やかになり、さらに無数の触手が鎌首をもたげ始める。

そのまま、朝まで、玄関先での常軌を逸した痴話げんかは続けられたのであった。

(終了)


さつまあげが苦手 さつまあげが触手 さつまあげに挙手 さつまあげの一手
さつまあげは歌手 今日のおかずはカツオにマグロ ウーロン茶☆ヌルヌル
をすべて入れてみました。