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オナニー目撃(するされる)シチュ

信じられないが、今、先輩がオナニーをしている。
薄暗い旅館の風呂に、こんな時間に誰も来ないとたぶん思って、こっそりひとりでしている。
合宿最終日、懇親会と称しての打ち上げはエンドレスだ。部屋ではまだ飲んでる奴、疲労困憊で寝てる奴が入り交じって、ひどい有様だ。
理性があるうちにせめて風呂に、と思って俺は抜けてきた。
学生の合宿に使うような融通の利く宿だから、使用時間はとっくに過ぎていてもなんとなく使える風呂なのだ。

五日間の合宿は地獄だった。
早朝、朝、午後に夜の稽古まであって、俺を含む下級生は分刻みでやつれていった。
夜は寝る。っていうか死ぬ。朝になると無理矢理生き返らされてまたしごかれる。
先輩たちは鬼だった。なかでも安藤先輩は悪鬼だった。一対一の稽古であたれば皆、床板に血反吐を吐いた、おおげさじゃなく。
「ひでえ」「死んでほしい」「野郎」俺達は稽古の合間にささやきあった。恨みだけが、ちくしょうという思いだけが俺達の支えになった。
武道のサークルだからごつい先輩はたくさんいる。が、いちばん小柄でゴリラでもない安藤先輩がいちばんきつかった。いちばん憎かった。

その安藤先輩が、なにやらおかしなことをしている。
うわ、どうしよう、やばいやばいやばい。
後から思えば、弱みを握った、とかチャンス!とか、いくらでも利用できる場面だったのに、俺はとにかくおびえて、隠れなきゃと思ってしまった。
俺は湯船の中。疲労のあまり半分寝てたのだ。先輩は洗い場のシャワーの前。
その距離約五メートル。岩を組んだ湯船がさいわいに俺の姿を隠してくれていて……いやいや、だからこそこんなことになったんだ。
そもそも、先輩が入ってきた時点でちゃんと「うっす!」とあいさつすればよかったのに。
手桶に湯を汲み体を流した先輩がいきなり自分のものをしごきだして、俺は目を剥いた。
こうなったら死んでも見つかるわけにいかない。
耳をふさぐこともできない俺は、先輩の観察するはめとなった。

きっと、さっさと終わらせようとしているのだと思った。
手の動きが乱暴に、速く、モノをこすってる。
先輩のは普通に立派な状態で、他人のそういう状態を初めて生で見てなんともいえない気持ちになった。
うまく言えないけど、それは、なんというか……気の毒、かわいそう、そんな気持ち。
懸命に熱中する先輩は息も止めてるみたいで、気持ちよさそうということもなく、むしろ必死で悲愴な感じに見えた。
さっきまで恐い鬼の先輩だったのに。打ち上げの先輩を思い出した。稽古着を脱いでジャージになればいっそう小柄な先輩。
……その肩を抱く……え、誰だっけ?
去年卒業したOB。打ち上げだけに顔を出した、俺達下級生からは雲の上の人。
警察だったか自衛隊だったか警備会社だったか、なんにしろマッチョな職場に就職を果たしたという強面だ。
先輩が酌をする。困ったような笑い顔。OBの太いむき出しの腕が、先輩の背を叩く──
俺は、自分が今地雷を踏んでいることに気づいた。鳥肌がたった。実際、のぼせる寸前だったのに。

「ンッ」
小さくうめいて、先輩が終わった。
物凄い勢いで手桶の水をバシャバシャかけてシャワーをガンガン流して、先輩はさっと上がっていった。
湯船にも入らず、これが目的の風呂だったのかと思った。
俺はゆだりそうになっていたからすぐさま湯船から上がった。
それから、自分もオナニーした。
あっという間に出して、冷たい水を頭からかぶった。クラクラした。
それでも治まらなかった。
これはまずいと安藤先輩の恐ろしい稽古着姿を思ったらまた勃ったので、どうしようと泣きそうになった。