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手を繋ぐ

「昨日の笑点見たー?」
「あー途中からしか見てねー。面白かった?」
「ばっかでーお前ー。すげー人生において損したぞ」
「そんなにも」

他愛のない会話を紡ぎつつ、その実僕は上の空だ。
今日クラスメイトの女の子が、彼氏と一緒の時は絶対に手を繋ぐ、と言っていたのを聞いてから。

今隣を歩いているこいつは僕のことを好きだと言う。
僕もこいつが好きだと思ってる。
クラスメイトの女の子とその彼氏と、ほとんど違わない関係のはずなのに僕らにそんな甘い雰囲気はない。
最初に好きと言われた時以来何も言ってくれないし、手を繋いだことすらない。

「聞いてる?」

完全に上の空だった僕の顔を覗き込んで訝しげに眉を寄せた。

「なんか今日変だぞお前。さっきからぼーっとしてるし」

ああ、自分のことばっか話してるようでも僕のことちゃんと気にかけてくれるんだ。
でもさすがに手を繋ぎたいなんてそんなジョシコーセーのようなこと言い出せない。

「体調悪いんなら早めに帰るべ」

体調が悪いと勝手に納得して僕の手を取った。
………手を?

「……手」
「あぁ?お前手ー冷てーな。じゃあ熱はないか」
「………」
「たまにはいいじゃん。恋人同士だろ?俺ら」

繋いだ指先に熱が集まるのがはっきりわかった。