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筋肉

眠っている彼の背をそっとなぞる。
学生のころから均整の取れた体は変わっていない。
たくましい腕、引き締まった腹筋、無駄な肉のないきれいな背中。
俺の体とは大違いだ。自分の弛んだ腹を見て思わず苦笑が漏れる。

疲れているのだろうか。
背中から腕をなぞりだしても一向に起きない。身じろぎもしない。
疲れといえば、筋肉痛が2日後に来るとか言ってたな。
俺は3日後だった、と言ったらおじいちゃん呼ばわりされた。
変わらないように見えても、お互い少しずつ年をとっているのだ。
いつの間にか小学生の子供がいたっておかしくない年になってしまった。

こいつの年の割りにしっかりした腕に抱きしめられるのは可愛らしい奥さんで、
がっしりとした肩にしがみつけるのは彼に良く似た子供であるべきなのだ。
こんな中年男でいいはずがない。お前にはそっちのほうが似合ってるよ。
お前が子供好きなことも、どういう子がタイプかも、みんな知ってる。

規則正しく上下する背中に、いつもしていたより少しだけ長く口付けて
俺はベッドから抜け出した。