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大掃除で発掘

年末ということもあり、俺と恭平は気合を入れて掃除をしていた。
いるもの、いらないものにきっちりとわけてものを漁っていると。
「(お)」
懐かしすぎるモノを、見つけた。
少し色あせた色の封筒をあけ、紙を開く。カサリ、という音がなんだか懐かしい。
高校生のときに貰った、彼からのラブレター。あまりに稚拙な字並びに思わず笑みがこぼれる。
「海?」
背後から声が聞こえて、心臓が大きく飛び跳ねる。振り返ると、恭平が人懐こい笑顔でこちらを見ていた。
俺は胸をなでおろしてこれ、と紙を見せると、彼の顔がかあ、と赤くなる。
「お前、ほんと、なんでとっておいてあるんだよ!」
「バッカとっておくだろそこは!」

当時、あまりにシンプルな一文に、ひどく胸が震えた。
真っ白い紙に、ただ一言「好きだよ」と。

「俺、これもらったとき嬉しくて仕方なかったんだぞ!」
「っ……海の馬鹿、さっさと掃除するぞ!」
耳まで赤い恭平が、くるりと背中を向ける。
さっさと掃除を終わらせて、彼を背後から抱きしめることにしようか。