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強がらない

目いっぱいに涙をためて、頬を上気させている。
その様子が酷く愛らしく思える俺は、どこまで彼を好きになってしまっているのだろう。
わざとらしく音を立てて、耳元にくちづける。弾けるようなそれに、恭介は身体をこわばらせた。
俺が鍵を持っているのに、人がくるのを恐れているんだろう、慌てたように視線を右往左往とさせる。
何だかそれがおかしくて、小さく笑うと、猫のようなツリ目が俺を睨みつける。

「なんで笑うんだよ」
「いいや? 別に」
「…誰か来たら、どうすんの」
「誰もこないよ。生徒会室の鍵、俺しかもってないもん」

ほら、とポケットから取り出した鍵を見せ付けると、
それでも納得できないのか、そうだけど、と返して恭介は俺のセーターを掴む。
微笑んで鍵を戻し、優しく彼の指先を絡めとる。ピアノをやっていれば、皆こんな綺麗な指になるんだろうか。
白い指をそっと撫でると、ふるりと長い睫毛が揺れた。

「我慢しなくて、いいのに」
「してないし」
「強がらない、強がらない」

頬にくちづけてブラウスのなかに手を滑らせると、頭上でエロ生徒会長、と罵声が聞こえた。
本当に素直じゃないんだから。そんなところも好きだけど。