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こんなお姿になって

「ああ、なぜこのようなお姿に…!姫、愛しの我が君よ!願わくばこの口づけに、黒き魔法が消え去らんことを…!」
「……」
「…はいオッケー!いやー、いいよ谷口!完璧!最高!」
「そうか?」
「おう、文句なし!オスカーも真っ青!本番もこの調子で頼むわ!」
「ん、わかった」
「長谷、お前は鏡見て来い」
「う…」

「あのな、お前がひ弱で大道具できないわ不器用で小道具やれないわドンくさいわセリフは棒だわっつーから一番セリフの少ない姫役にしたんだぞ!
ただ呪い殺されてるだけの役なんだぞ!発表時間の3分の2以上は棺桶ん中で寝てるだけだぞ!
それがなんでまともにできないんだよ死んでる姫がそんなに顔赤くなるわけねえだろ顔洗って来い!」
「わ、悪い…」

「はぁー…」
「長谷!」
「谷口…」
「ごめんな俺、顔近かった?」
「いやいいよ、キスシーンなんだし。…俺が下手だから」
「長谷がんばってんじゃん」
「……そんなことない…いや、そりゃ自分ではやってるつもりだけど…お前に褒められるほどには…」
「がんばってる」

「なんでそんなこと思うの」
「がんばってるから。キスシーンでお前がこう、指組んでぎゅーって目とかつむって」
「…馬鹿にしてる?」
「してない。一生懸命で、いいなと思って」
「……なにそれ、その、文化祭でお近付きになる男子と女子みたいな」
「ここ男子校だけど」
「知ってる、だから言ってんの」

「リハーサルしようか」
「え           …え?」
「…うばっちゃった。さ、練習もどろっか」
「えー!!??;;;」
「安心しろ、俺も初キスだから」
「はぁぁああぁぁ!!?」
「姫、顔赤いよ」
「姫じゃない!」
「姫泣いてんの?」
「泣いてない!」
「お近付きになっちゃったな」
「なってないぃぃ!!」