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うたた寝

あぁ、腰が怠ぃ…。
よっこらしょ、と声を出した自分に苦笑しながら、縁側に腰を下ろす。
三十路の身体に一晩に3回はさすがにキツいか。
小春日和の日差しの中で中で、昨夜のことを振り返る。
「慎二さん、ね、もう一回だけ、いいでしょ?」
年下の恋人はとてもねだり上手だ。
可愛さにほだされてつい3回目もつき合ってしまった。
だって、しょうがねーよなあ。可愛いものは可愛いんだから。
「慎二さん、大好き!」
嬉しそうに抱きついてきた翔太の笑顔を思い出すと自然と頬が緩む。
今の俺、デレデレと締まりのない顔してんだろうな…。
そんなことを思いながら、日だまりの温もりに眠気を誘われて、
いつのまにかうとうとしはじめた。


バイトを終えて、弾む足取りで家へと急ぐ。
慎二さんは今日は仕事が休みで家にいるはずだ。
ただいまー!と元気よく玄関の扉を開ける。
「慎二さん、ただいま。……あれ、いないのかな?」
家の中はしんと静まりかえってる。
買い物に行っちゃったのかな?一緒に行きたかったのに……あ、いた!
縁側に座る恋人の姿に、少ししぼみかけた気持ちがまた膨らむ。
「慎二さん!」と呼びかけようとして、その声を飲み込んだ。
こくりこくりとと揺れてる頭に気づいたから。
起こさないように足音を忍ばせて傍に寄り、隣に腰を下ろして、
寝顔をそっと覗き込む。
いかついけれど優しい顔。
昨夜無理させちゃったよね。疲れさせちゃって、ごめんね。
そんな申し訳ない気持ちを覚えながらも、
慎二さんは寝顔も格好いいな…。
格好いいだけじゃなくて、エロくて可愛いんだよね。
自分に抱かれた年上の恋人が甘く喘いだ姿を思い出して、
どうしようもなく顔がにやける。
口許を緩めたまま、穏やかな寝顔を見つめていた。


かくん、と首が揺れた拍子に目が覚めた。
身体の右側がやけに暖かいと思ったら、
いつ帰ってきたのか翔太が肩に寄りかかって眠っている。
あぁ、やっぱり可愛いな、なんて思いながら見ていると、
長い睫毛が震えて、やがてぱちりと目が開いた。
「あれ、俺いつのまにか眠ってた?」
瞬きしながら首を傾げる年下の恋人に微笑みかける。
「今日はぽかぽかしててうたた寝日和だな。
 ……おかえり、翔太」
「ただいま、慎二さん」
にっこりと、輝くような笑みが返ってきた。