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童貞×童貞

全く経験の無い者同士が事に及んだとして、はたしてうまくいくんだろうか?
――何故俺がこんな下世話極まりない心配をしているかといえば、目の前で惚気話を繰り広げる我が兄とその恋人の関係がまさにそれだからだ。

若くして聖騎士を勤める俺の兄は、清廉潔白を絵に描いたような人物である。
ガキの頃から教会の孤児院という、色事とは一切無縁の生活をしてきたたため、そっち方面における鈍さだけは随一であると断言しよう。
そもそもそういった事に興味があるのかすら疑わしい。
何しろ今小一時間も恋人の話しかしていないというのに、惚気ている自覚がさっぱり無いのだから。

そんな純粋培養な兄の恋人である副官は、傭兵団からうちに引き抜かれた異色の経歴を持つ。
一体兄はこいつのどこに惹かれたのかといつも思うが、そこは外野がとやかく言っても仕方のない事である。
で、だ。
荒くれ者揃いの傭兵団にいたのでてっきりそういった類いは経験済みかと思ったら、意外な事に一切ないときた。
知識だけは豊富らしいが、それを実際に活用できるかどうかは当然別な訳で。

知識はあるが実際やった経験は無い人間と、経験どころか知識すら全く無い人間。
そんな二人が今のまま事に及んだら色々まごつくんじゃなかろうかと不安になるのも当然だろう。


…ああ、何だって俺がこんな心配をしてやらなくちゃいけないのか…。
とはいえ、大切な俺の家族が幸せならそれが一番いいのは事実だ。
だから願わくば二人が機会に恵まれたその時は、どうか上手くいきますように。