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ちょいワルおやじ/薔薇

「Tさんってちょいワルおやじって感じっすよね」
あぁん?冗談じゃねぇ!
不良中年を自認する俺だが、ちょいワルおやじだぁ?
誰がズローラモだ!一緒にすんな。

「誕生日には薔薇の花束なんかさりげに抱えちゃって。
きっと似合うだろうなぁ。いいっすよねぇ、俺ももらいたいなぁ」
何無邪気に言ってんだか。
だいたい薔薇なんて買ったこともねぇぜ。花を買うのは墓参りと決まってら。

「でもさぁちょいワルって紳士なんでしょ?Tさんの彼女は幸せだなー」
何がでもだ!誰が紳士だ!?
はじめて商談をまとめた部下を労う上司のふりで
下心ありありでマンションに誘った俺がか?

「今回だってTさんのアドバイスがなけりゃまとまるもんもまとまらなかったし。ほんと感謝してるんすよー。」
東奔西走するおまえをただほっとけなかっただけさ。

「仕事はできるし、かっこいいし、なんか憧れちゃうなぁー。いやっほんと、ほんとっすよぉ」
そんなかわいい顔したって何もでねぇぞ。

勝手な事をひとしきりほざいて、ジョッキを握りしめたままいつの間にか寝息をたて始めた顔を見ながら
今度のこいつの誕生日には薔薇の花束なんぞを買うのも悪くない…などとらしくなく思う俺がいる。

ほらあれだ、憧れが愛情に…ってなやつありだろう?
たまには待つのも悪くねぇか。