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新学期

夏休みは終わった。
久しぶりの教室、俺の席……に、何故かすでに机に顔を伏せて寝ている奴がいる。
「どけ」
椅子を蹴ると、そいつはごろんとうつろな顔をこっちに向けた。
「おー……てっつん、おはよ。」
移動するどころか起き上がるそぶりすら見せないそいつを椅子ごと押しのけ、
代わりにまだ登校していない隣の奴の椅子を持ってきて、俺は席についた。
それでもそいつはまとわりつくように俺に倒れかかってきて、俺はそれを払いのける。
休み前と全く変わらない日常の光景だ。
「おれさぁ、けっきょく昨日もアレでさー、寝てねーんだよ。ねっむー。」
「アホか」
「……あ、てっつんはどうなった?」
「まだ。この前のあそこ」
「あー、あれは意外とヤバいよねー。」
「そういえばお前、この前言ってたアレ何なんだよ。どう見ても……」
「えー?ウソ違うって!何言ってんの!!絶対まじだって!」
「ほんとかよ」

「……新学期だなぁ。」
後ろの席から、いつの間にかそこにいたクラスメイトの、そう呟く声がする。
「な……なんだよ、そんなしみじみと」
俺が訝しげにそう訊ねると、
「いや、お前らのその熟年夫婦ばりに指示語だらけのツーカー会話聞いてたら、
ああ学校が始まったんだなぁって実感すげぇ湧いてきて……。今学期もヨロシクな!」
「おーヨロシク!」
「……っ誰が熟年夫婦だ!!」

そんなふうにまた新しい一学期が始まった。