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本屋の常連×無愛想な書店員

毎日のようにこの店に通う男がいる。元々売れ行きなど気にするような店ではない。小ぢんまりとした店だ。
どちらかというと客がいないほうがこちらとしては気が楽なのだが。
いつ清算に来やがるか、とレジで待機する。しかしいつも立ち読みをして、ちらりと会釈をして帰って行くだけだ。
また今日も、そのまま立ち去るかと思った。
しかし、今日は違った。奴はゴツイ両手に大量の本を抱えてレジへと向かって来る。
よりによってこんなに、と、顔をしかめながらバーコードを読み取る。
ふと、その手にとった本を見てみると、その全てがなんとも可愛らしい絵本だ。
こんなゴツイ男が、こんな絵本を…?
「あぁ、ダメかぁ」
初めて聞くそいつの声が、残念そうに呟いた。
「俺みたいなのがこんな本いっぱい買ったら、思わず笑ってくれるかと思ったのに」

じゃあまた、と呟いて立ち去った背中を、しばらく眺めていた。
そんな自分に思わず苦笑してしまったことを、その後ろ姿は知らない。