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vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv

「受け、愛してる」
攻めがいきなりそんな事を言うもんだから、俺は思わずタコさんウィンナーを地面に落としてしまった。
ああ、最後の一個だったのに勿体ない。
「……聞いてんのか?」
「えっ?あ、聞いてる!すっげぇ聞きまくってる!」
そうは言うものの、地面に転がっているタコさんが気になって仕方が無い。
恐らく攻めも気付いてるだろう。俺の目が泳ぎまくってることに。
「もう一回言うぞ」
「いやいや!いいって。遠慮しとくよ」
タコさんが気になるのも確かだが、「愛してる」なんてこそばゆい事をリピートされるのもなぁ…。
いきなり何をトチ狂ってるんだろう、攻めは。
「…だってさ。俺たち恋人同士なのに全然それっぽくないじゃん?」
俺の冷たい視線に気付いたのか、気まずそうに攻めが言った。
「まあ、確かにそうだけど…。でもいいんじゃないの?俺たちは俺たちのままでさ」
青春ドラマに出てきそうな青臭い台詞を口にする。
だって今は攻めの思春期真っ只中な悩みよりタコさんだろ。
三秒ルールは……流石にもう無理だよなぁ。
「でも!もっとお互いにさ、歩み寄ろうぜ。
この広い地球で俺たちが出会えたのって奇跡っていうか…むしろ運命じゃん?」
「攻め……」
頬を赤らめて言う攻めの姿に、俺はようやく我に帰った。
トチ狂ってたのは自分の方じゃないか。攻めはこんなに真剣に俺たちのことを……。
「ごめん、攻め。俺が悪かったよ」
「わっ…分かればいいんだよ!分かれば!」
「サンキュな!…それで、歩み寄るって具体的にはどうすればいいんだ?」
「……受け」
俺の素朴な疑問に、攻めは低い声で改まったように答えた。
「"愛"は心を受け取るって書くんだぜ…」
「……!」
す…すごい。言ってる意味が全く分からない。
でも…その雰囲気に騙されてしまいたい…!
「凄いよ攻め!ラブ・イズ・ザ・ワールドだな!」
「ああ!そうやで!ザ・ワールド・イズ・ラブや!」
いきなり奇妙な関西弁になったことも気にならないほど、今の攻めは完璧だった。
「世界の中心で愛を叫ぶんや!」
「流石や攻め!愛は世界を救うんやね!」


屋上には柔らかな春の日差しが降り注ぐ。
校庭に立ち並ぶ桜の花びらが宙を舞い、本格的な春の訪れを告げていた。
全てのものに新たな生命の息吹を伝える春。
その暖かなぬくもりは、誰の上にも平等にやって来る。
そう、例えばそれは俺たちの頭の中にも――


「受け!俺を見ろ!」
「何だい攻め!」
「(ノ^^)ノ<love~」
「すごいや攻め!よーし、俺も!love~>ヽ(^^ )ノ」
「「vvvlove(ノ^^)八(^^ )ノlovevvv」」



この出来事から季節が二巡りもした頃には、俺たちが桜を見る度に今日のことを思い出して悶絶するようになるのはまた別の話だ。