※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

優しく踏んでね?

…遅い。
奴は今日の2時に、俺の家にに遊びに来ると言っていた。
それなのに。
…もう3時になる。

さっきまではまだ心配ではあったが、ここまで遅いと心配も苛立ちに変わる。

まさか、奴は自分で言った約束を忘れているのではないか?
そう思った俺は、奴に電話をかけるために携帯に手を伸ばした。
その時。

ピーンポーン
「わりーわりー 遅くなった!」

ドアが開く音と同時に、間抜けな声が響く。
アパートで大声を出すな、と何度言ったら・・・!

そんな俺の苛立ちをよそに、奴は俺のいる部屋にずかずかと入ってきた。
アパートだから静かに歩けと、何度言ったら・・・!

「遅い。 何をしていた?」
「いや、ここに来る途中に自転車のタイヤがパンクしちゃってさー
 仕方がないから歩いてきたんだ」

そう言うと、奴は俺の横にうつぶせになった。

「・・・? 何のつもりだ?」
「いや、ずっと歩いて足が疲れたんだ。
 マッサージ代わりに、足の裏を踏んでくれよ」

…俺の心配は一体なんだったんだ。

奴の足の裏に自分の足を重ねた途端、奴は慌てて
「あ、優しく踏んでね?」
と言ってきた。

…知った事か。
俺は、今までの苛立ちをぶつけるように、奴の足を思いっきり踏んでやった。