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今年の紫陽花は何故か青い

そろそろ紫陽花の季節になる。
この時期になると、赤紫色の紫陽花が咲き誇るのを、ここの窓から臨むことが出来る。
いや、出来る『はず』だった。
…何故だ。今年の紫陽花は何故か青い。
不思議に思って原因を考えていた所、奴が私を呼ぶ声が聞こえた。
相変わらずの無防備な笑顔で駆け寄ってくる姿は、まるで親元へ走る仔犬のように見える。
「・・・何か用か」
「見てくれましたか?外の紫陽花!青くなっているでしょう?
この前、あなたが『青いものを好む』って言っていたので、
紫陽花の赤の色素を除去する薬を作って、外の紫陽花をあなた好みの色にしたんですよ!」
「・・・は?」
いまだに私は、こいつの行動への理解が追いつかないことがある。
私が青を好むと言ったからとはいえ、研究棟の周りに植えられた紫陽花―皆が見て楽しむもののはずだろう―を
私一人の好みに合わせてしまうのは如何程のものかと思う。
「・・・お前という奴は」
今まで、分からない事はすべて筋道を立てて考え答えを導き出してきた私でも、
こいつの行動のパターンがどういうものなのかという答えは未だに導き出せない。
こいつの事については、筋道を立てて考える事自体無駄な行為のような気がしてくる時がしばしばある。