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トラウマ

俺は、そっとジョシュアの頬に手を添えようとした。
途端、ジョシュアは怯えたように顔を背ける。
そして、怯えた顔で俺の顔を見て一言「ごめん」と呟いた。

ジョシュアは、幼い頃から母親に虐待を受けていた。
その影響で、彼は自分の頬に人の手が触れることをひどく恐れる。

何故か、彼の母親は執拗に彼の頬を殴っていたのだ。
いや、何故か、なんて言い方は止めておこう。原因は分かっているのだから。

ジョシュアがまだ幼い頃、俺はジョシュアのほっぺたが好きだと言った。
ふにふにして、やわらかくて、かわいらしい、と。
そんな事を言っていた。
ジョシュアが虐待を受け始めたのは、その頃からだったという。

幸い、ジョシュアが大きくなる頃、俺は立派に社会人などをやっていた。
一人の青年を養えるほどの経済力は、ある。

ジョシュアの母親は、彼がいないと生きてゆけないと泣き言を言って俺がジョシュアを連れて行くことを拒否した。

冗談じゃない。このままではジョシュアが生きてゆけない。
そう思った俺は、ジョシュアの母親から彼を奪った。


いまだに、俺はジョシュアの頬を触ることができない。
彼に恐怖を与えたくはないと思う一方、それでも彼の頬に触れたいと思う気持ちもある。

これで彼に拒絶されたのは何度目だろう。
彼に拒絶されるたびに、男しか愛せない俺を拒絶した母の記憶が蘇ってくる。