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誰もがそれを笑ったとしても

「笑えよ」
そう言って、向かい合う俺の幼馴染氏は、ぶすくれた顔でそっぽを向いた。
「そんなに笑って欲しいかよ」
「当たり前だろ! こんなカッコしてまでウケ取ってんだよ! 笑えよ! 
終いにゃくすぐり倒すぞ!」

アイツ笑わないよな。気味悪ィ。だの何だのと俺が噂されてるのは知って
た。こいつがムキになってそれを否定してたのも。
『ちげーよ! あいつは気ィ許した奴にしか笑わねぇだけだよ!』
って。お前、それフォローになってないのに気付かないのはおかしいぞ。

俺が手酷い振られ方をして以降、誰の前でも笑わないの、随分気にして
くれるんだな。ありがとう。でも、よせよ。そんなことされたら、笑うどころか
泣いちまいそうだから。だから、もういいよ。

俺の目の前で、真っ赤な顔をしたセーラー服のお前。
うん。すごく変だ。ていうか誰から借りたんだよお前。180超えで目つきも
悪い、通報寸前の仮装男。

でも、だから笑えねぇよ。たとえ誰もがそれを笑ったとしても。

見た目とは裏腹の真っ直ぐな想いに、俺は、応えられずに俯いた。