「俺たち友達だよな」
「なぁ、僕ら友達やんな?」
「なんだよ急に。当たり前だろ」
そう、俺とお前は友達。それでいい。
この関係が崩れてお前を失うくらいなら、俺は本当の気持ちなんてずっと隠しておくよ。
「僕に友情を感じてくれてるんやんな?」
「もちろん」
嘘ついて、ごめん。
絶対に困らせないから。
「ほな、僕がどんなでも、友達や思てくれるか?」
「どうしたんだよ、本当に」
お前がどんな奴だったとしても、ただお前だから、好きになったんだよ。
「例えば、サツジン犯でも、ゴーカン魔でもか?」
「友達だよ。だから、殴ってでも更正させてやる」
「お前のこと、ホンマは殺したいくらい憎いて思てる、言うてもか?」
「……うん。それでも、友達だよ」
嫌われていたらきっと痛い。
でも、きっとそれでも好きだ。
「そっか。ありがとぉな」
「いったいどうしたんだよ」
「ん……あんな。図々しいやっちゃ、て自分でも思うんやけどな。
それでも、お前の友情、失いとぅなかってん」
大丈夫だよ。ずっと、友達でいるよ。
「ホンマは言うべきやないんかもしれん。けど、もぉ黙っとれへんくらい気持ちが大きゅうなってな。
僕、卑怯モンやから、言うた後もお前と友達でいたいんや」
……言う?何を?
「あーもー、言い訳ばっかし言うててもしゃーないやん自分!
ええか、単刀直入に言うで」
「僕な、お前に惚れとんねん」
――――え?
これは、ある二人の友情の終わり。
そして、新しい何かの始まり。
最終更新:2010年10月21日 14:12