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女の子が大好きです

「決めた、俺やっぱ彼女作るわ」
騒がしい昼休みの食堂。向かいに座る林に井上はそう宣言した。
「なにを言ってるんですか井上さん…既に僕と付き合ってるくせに」
後半は小声でそう続ける林の落ちついた態度が井上には余計にしゃくに障った。
―俺が折角衝撃の告白してるんだから、少しは驚けよ
そういう態度だから俺も女の子と付き合いたくなるんだよ

「うるさい。それは何かの間違いだ、そもそも俺別に男好きなわけじゃないし」
「僕も男好きじゃないですよ井上さんだから好きです」
「あ…今はそういう話はしてないだろ」
「はいはい」
「ほら、純情可憐な女の子と付き合う方が絶対楽しいし」
「僕は井上さんと付き合うまでに何人か女性とお付き合いしましたけど
素直とか純情な女の子なんて都市伝説でしたよ。井上さんの方がよっぽど可愛い」
お前はどさくさにまぎれて何を言ってるんだ。
「じゃなくて!俺は男の固い胸よりも、揉みがいのあるぷるるんと大きな胸が好きだ!女の子が大好きです!」
「はいはい、井上さんの髪も柔らかくてさわさわで撫でがいがありますよ」
「だからー!はぐらかすなよ」
「はいはい」
「お前と会うまでは普通に女の子と付き合ってたし」
「あー半年周期でふられてましたよね」
「そうそう…なんでお前知ってんの?」
「見てましたから」
「ストーカー!?」
「違います。ほら俺達高校も同じだったんですよ」
「知ってる。お前が高校入学した時から知ってた」
「ストーカーですか?」
「ちげぇよ、にこやかに聞くな。ただちょっと男にしては美人な奴だなーって見てて。
まさか中身がこんな奴だとは当時思いもしなかったけど」
「有難うございます」
「ほめてない。それで当時付き合ってた彼女に浮気疑われて、ふられて…」
「なるほど、それを高校卒業まで繰り返していたわけですね」
「そうそう、俺が女の子と付き合えないのは全部お前のせいなんだよ」
「じゃあいいじゃないですか、俺達は出逢って惹かれあうのが運命だったんですよ」
「えっ…そうなのか?」
「そうですよ。だって井上さんも、僕のこと好きでしょ?」
「す、好きだけど…」
「じゃあいいじゃないですか。これからもよろしくお願いします」
「あ、うん」
「ああ、井上さん…そろそろデザート取りに行ったらどうですか?無くなっちゃいますよ」
「そうだった…俺バナナ味にするけど、お前イチゴでいい?」
「はい、お願いします」

林の返事を聴くと、井上はそそくさと席を立ってカウンターへと駆け出していく。
その後ろ姿を見送りながら林は呟いた。
「…そもそもこんなこと人がいっぱいいるところで語りだしたらそりゃ彼女もできないよね」
林が後ろを見渡すと、2人が座っていたテーブルを遠巻きに見守っていた女子の集団が慌てて目を反らした。
こそこそと何を話しているのかは聞き耳を立てなくてもわかる。
「井上さん、ほら言ったでしょ。純情な女の子なんて都市伝説ですよって」