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痛みを愛する

きゃっきゃっと甲高い耳障りな声が聞こえる。

痛い。

公共の場で人目も憚らずはしゃぐカップルも、それを羨ましいと思ってしまう自分も。
羨ましいと思うなら、彼女を作ればいい。そんなことぐらい分かってる。
でも、あいつがまだ俺のことを甘ったるい声で呼ぶから、いつまで経っても俺はあいつに囚われたままなんだ。

心の中でたかし、とあいつを呼べば、あいつは蕩けるような笑顔でなんだよ、と返してくれる。

痛い。

いつまでも過去のことを引きずって、男らしくない。

痛い。痛い。痛い。

痛いと言っておきながら、痛みから抜け出そうとしない自分が。

でも、やっぱり俺はこの痛みを忘れる気はない。
絶対に、忘れたくない。

だって、この痛みは確かにあいつを愛してた証だから。

この痛みを忘れないうちは、あいつを愛していられるから。