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華道家とフラワーアレンジメント講師

「一万円でアレンジメント頼む。全体的にピンクな感じで」

事務所兼教室に現れた着物の男は、なんともアバウトな注文をすると、ドサッとソファーに腰かけた。

「出来上がるまで待ってるんで、早くな」
「デザイン考えて、花仕入れてから取りかかったら、有に一日かかる」
「泊まり込みか。着替えは貸してくれ」
「アホか、自分で生けろ」

華道家が花を生けずに、注文しに来るとは何事だ。バカにしてるのか、冷やかしか。
生徒さんが帰った教室を片付けながら、話だけ聞いてやる。

「お前が作ったのが良いんだよ。誕生日プレゼントなんだ」

嬉しそうに目を細めて笑う。
そんな相手なら、尚更自分でやれよ。
イラッとしたから、顔なんぞ見てやらん。

「メッセージカードにちゃんと書いてくれよ」
「そこにあるから自分で書け」
「お前の字で書いてくれ」

『Happy Birthday』の次には何故か奴の名前。
ムカついたから、真っ赤なバラを年齢の数だけ使ってやった。