「おー嬢っ。はいどうぞー」
 手渡されたのは、小さな包み。
「何、これ」

「ホワイトデーのお返しですよ。中身はマシュマロでーす」
 開いてみれば、言葉通り白やピンクの柔らかい菓子がたっぷり詰まっていた。
「甘そうね……」
「ちなみに手作りっす」
「作れるの?」
 少なくとも、私は知らない。
「お嬢のために、不肖天草、愛をたっぷり込めて作りましたよ」
「は……、ば、ばっかじゃないの」
 その言葉に、頬を赤らめながら毒づく。
例によってスルーされた。しかもキラーパスがぶち込まれた。

「まあまあ。ほら、あーんして下さい」
 手元から一つ、ピンクのマシュマロを摘むと、天草は鼻先でそれを振った。
「え、なんでよ!」
「折角ですからぁ。はい、あーん」
 ふりふり、と揺れるマシュマロと、天草。交互に視線を投げ、私は屈服した。
このまま嫌だとかダメとか言ったって、コイツはこの行為を止めない。
下手すりゃ、もっと無理難題を出してくるに決まってる。
それで恥ずかしい思い、一杯してきたんだから。
そう考えたからだった。仕方なくよ。そ、それだけなんだから!

「……うぅ……ぁ、あーん」
 口の中の柔らかな甘さを味わう余裕なんてない。
飲み込んでも、顔の火照りは消えない。
「良く出来ました」

 恥ずかしくて恥ずかしくて、どうしようもない。
そして、反対にコイツのにやけ面はなんだ。
無性に腹が立った。……やり返さずにはいられない。

「うー……あ、天草ッ」
「はい?」
「あ、あーんしなさい!」

 カウンターは回避され、しかもカウンター返しを食らってしまった。
「はーい。あーん」
 ぱかっと口を開ける天草。やはり幸せそうな顔をしていて、癪だった。

「あんた……羞恥心とかないわけ」
「人並みにはあるつもりですがねぇ。ほらぁ、お嬢。あーんしてますよー」
「っぐ……分かったわよ!ほらっ」
 ほとんど投げつけるようにして、ピンクのマシュマロを天草に食わせた。
「いやー、美味しいですね」
「自分で作ったんだから、味なんて分かってるでしょ」
「やだなぁ。お嬢に食べさせて貰ったぶんは別ですよ?」

 もう、コイツのせいで私はどんどんおかしくなりそう。


  • も•••萌えた‼縁寿かわいすぎ -- (名無しさん) 2010-01-03 22:39:55
  • はぁうぅうぅぅぅぅぅうううぅぅッ!!!天草ぁ すきぃ!!! -- (天草らぶwww) 2010-03-16 22:48:08
  • ( 罪)<書いて!もっと書いて! -- (名無しさん) 2010-08-20 03:03:01
  • 俺の妹がこんなに可愛いわけがない -- (戦人) 2011-04-29 11:03:11
  • 縁寿は俺の嫁だああああああ -- (たた) 2013-11-04 01:58:02
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