『これ』は、なに?

分からない。考えが、まとまらない。
ええと、えっと……なんとか遡れた部分を、頭の中で築き直す。
……誰かが、笑っていた。小さな、小さな。
可愛らしい笑顔が、些細な仕草が愛おしい。
そう、真里亞だ。私の、たった一人の娘。
でも、これは、この紅いのは、何?
どうして?どうして?

――ああ、そっか。あかいのは。

「どうだって良いだろ?そんなのさ」

赤が、私を包み込む。
そうだ……思い返したって、何の意味もない。

「ママ。真里亞がママを気持ち良くさせてあげるからね」
「あ……」
小さな娘が、従兄弟の青年と笑っている。

「戦人ぁ。ママのおっぱいは真里亞のだからね?きひひっ」
「へっ。りょーかーい」
娘に笑みを返しながら、青年が、こちらを向く。

身体が、だるい。下半身に鈍い熱が入り込んでいる。
「は……っ、ぁ、うっ、ああ、っく……」
涎と一緒に零れる、意味のない言葉。
「ぬぷっ……ちゅ、はぁっ。ママぁ、気持ち良いー?」
胸元から身体を起こす、娘。その唇は、唾液でてらてらと光っていた。
「は、や、だめぇ……や、真里亞ぁ……も、やめてぇ……」
「むー。まだ足りないー?」
母の言葉が気に入らなかったのか、真里亞は再び楼座の乳房に吸い付いた。
「んむ、くっ、じゅる……じゅうっ」
小さな手が、唇が、楼座の胸を蹂躙する。
子どもらしい、遠慮のない動きと、娘に愛撫されているという事実に、彼女は翻弄されていた。
「ひ、やだぁ……あ、あっ」
「いっひっひっひ。真里亞、ちょい離れてな」
響く声は、戦人のもの。
楽しげに笑う青年は、ずっと上から楼座を犯していた。
「うー?分かった」
「ば、とらく……ま、まりあに、何……ひぁんっ!」
しばらく動きのなかったせいか、ほんの少し身体をずらしただけで、楼座が反応してしまう。
「へへ。ちょーっとね」
「んん、やぁ!も、やめてぇ……真里亞に、こんなとこ、見せちゃやだぁっ」
言葉はやっぱり届かない。
ずぷり、と一旦戦人との繋がりが絶たれる。
「このままだとやり難いっすからね。上、乗って下さい」
「っひ……え、あ。な、何……?」
「だから、俺の上に四つん這い。早くしてくれます?」
体勢を変えろと言ってくる戦人。
もう終わらせて欲しかったが、それが出来ないのは楼座自身が一番よく分かっていた。
もっと抉られたい、と感じて濡れているのだから。
ふらつく身体を起こし、戦人の上に跨る。
その一部始終を、娘に見られている。そう思うと、身体が羞恥で熱くなる。
すぐに腰を掴まれ、考えることもままならなくなったが。

「ああっ……あ、く……ふっ」

「戦人!真里亞はー?うーうー!!」
「んっ……おう、わーってるって」
ぼそぼそと小さな声で、真里亞に指示を飛ばす。
彼女はこくこくと頷いて、指定ポイントへ回り込んだ。

「ま、りあッ!?やだ、そんなとこっ見ちゃだめぇ!」
真里亞が見つめる先には、楼座の尻が突き出されていた。
「ひっ?ひ、あ、うぁあっ!?」

「あれだ、社会見学みたいなもんすよ」
「あ、や……だめぇ……だめ、あ、はぁっ」

「見られてる方が、楼座さん興奮するでしょ」
「や、そんな……ああんっ」

「嘘は良くねえなァ。あんた、娘が寝てる横で盛ってんでしょ?」
「ち、が……ひう!」

「なぁ、真里亞?」
「んう?うー。ママね、夜はいっつも知らない人とベッドで遊んでるの」
小首をかしげ、思い出しながら真里亞は話す。
「や、まり」
「そんで、どんなことしてんだ」
「えっとね……あ、オットセイいっぱい食べてた!」
「ああ?オットセイ?……ひょっとして、これのことか?」
それは、楼座の内を抉る男の肉棒。

「うー!それ!真里亞にはないー!」
「ち、ううっ……やだぁ……」
「ふーん。一杯、ってのは?」
「んっと、たまに知らない人がたくさん来る時ある!ママ、いつもより嬉しそうだった!」
手を振り回し、たくさんだとアピールする真里亞。母の痴態を触れ回っていると理解するには、彼女はあまりに幼い。
「っや、まりあぁあ……」
「うっわ、どんだけ手玉にとってんだよ……ホンットお盛んだねぇ」
「ちが、う、っ、あ、ち、っく、あぁっ……」
「ま、後で俺のも食べさせてやりますから。物足りないかもしれねぇけど」
「ひぐ……っ、う、ぐうぁああっ……」
「真里亞、そっちどーだ?」
「ん?ママ、びしょびしょー。大人なのにおねしょしちゃ、めーだよ」
接合部に顔を寄せる。二人の身体が動くたびに飛ぶ粘液が、真里亞にも散っていく。
真里亞は意を解さず、小さな舌で母の蜜を舐め取った。
「ぴちゃ……ぴちゃ、ちゅ、んく……」
まるで、猫のよう。音を立てて母親の下半身に喰い付いた。
「ッや……、あ、やめてっ、や、ひああっ!真里亞ぁあっ!!」
「うー!どんどん出て来るー!うー!」
楽しさを滲ませた少女の歓声が響く。

「おー。こっちが片付いたら手伝ってやるよ」
「っぐ、あ……あ、ひぐっ、っひ、くああっ!!」
「娘に下の世話させて、興奮してちゃ世話ねぇの」
「ひあ!あ、っふあああんっ!」
「聞こえてないか。ま、いいけど」
より強く、自身を打ち付ける。

「へっ。残念だったな。真里亞が男だったら、二人掛かりで気持ち良くしてやれたのに」
「っふぁ……ああんっ!」
腰を引き寄せて、抉って。その度に、楼座は啼いた。
「ほら、こーんなにガッバガバ。やらしい人だよなァ」
「うー?ママ、やらしー?」
「ううっ……ああ、わたし、そ、いやらしい……っ、ああっ!」

理性が、溶けてしまう。
――でも、構いはしないじゃないか。
だって、ここには。私の望む全てがあるんだから。

「あ、がッ……ま、真里亞あぁ!!あ、っひあ、あいしてる、ああっ!」
「……ああ、そうだろうな」
「うーっ!うー、真里亞も!!ママ大好き!」

良かった。これで、全部大丈夫。

真里亞の柔らかな頬を撫でながら、ようやく楼座は意識を手放した。
長い夜が、終わりを告げようとしていた。



……うみねこのなく頃に、現れたのは小さな黄金郷。
そこには、何もない。
ただ、欲に塗れた愚か者どもが夢みた、カケラ屑が歪に重なり合うばかり。

 本当に。ニンゲンとは実に興味深い。
くっくっく……クク、ハハハ。良かったなァ。
少なくとも、生きてるもんなぁ。いや、いやいや実に結構。
嬉しかろう?ずっと肉に溺れていられるしなァア?
さぁさ、もっと楽しませておくれ。この矮小な黄金郷を!
でないとなァ。この手をうっかり握り締めてしまいそうなんだよ。
そうしたらもう、楽しい時間はお終いだ。
せっかくせっかく邪魔な駒を。
頑張って、ひとりで!全部、すっかり。綺麗に掃除したんだからな。
これくらいのお楽しみは必要だろぉ?
だから、妾の可愛い家具を貸してやったのだぞ。
精々楽しめ。妾の愛おしい玩具たちよ。
っくくくく、あっはっはっはっは!!



金色の嘲笑は、一際大きく世界を震わせたけれど。
誰も気付かない。……というより、気付かせないんでしょうね。

意地っ張り。

だから「みえない」。とどかない。退屈に魔女は殺される。
――ああ。その点から言えば、あなたは勝者なのかもね。

まあ、どっちにしろ。ホント、誰も彼もバカばっかりだわ。

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