柔らかな頬に顔を寄せ、私は主の名を呼んだ。
「ねえ、静香」
「……なぁに?」
戻ってきた返事は、半分だけ上の空。
精密作業の真っ最中だから、それはある意味仕方ない。けど、静香があまり考えられないこんな時だから……出来る質問もあるわけで。
「花姫、起動させないんですか?」
私の質問は想定の範囲内だったんだろう。静香の作業する手は、止まる気配も見せなかった。
花姫が戻ってきて、既に半月近くが過ぎている。コーティングはとうの昔に乾いているし、部屋だってちゃんと片付けた。収納の奥に押し込んであった花姫の本来の装備も、ビス一本に至るまで手入れ済だ。
なのに、花姫は起動用ケースに入ったまま、机の隅に飾ってあるだけだ。
「……ココは、どう思う?」
「私……ですか」
正直、静香の気持ちも分からないではない。姿形は同じでも、今度起動した花姫は、静香の知っている花姫じゃないだろうから。
でも。
「起動させて欲しいです」
私は、私としてその言葉を選んだ。
「クウガとして死んだ私が、ココとして静香に出会えたみたいに……」
私に、クウガだった頃の記憶は残っていない。彼女の望みで全てを消してしまったからだと、先代マスターの武井さんから聞いていた。
あの雨の秋葉原。クウガではなく、ココとして再会したあの日。武井さんには嫌な思いをさせてしまったはずだ。けど、そうなる事を分かっていてなお、私は彼女の幸せ……起動される事を望んでいた。
たぶん、私の内にあるアシモフ・プロテクトにはバグが紛れ込んでいるはずだ。第一原則に従えば、マスターである静香の心を傷付ける提言なんか出来ないはずだから。
「そっか……」
静香は、作業の手を止めることなく、そう呟くだけ。
「ねえ、静香」
「……なぁに?」
戻ってきた返事は、半分だけ上の空。
精密作業の真っ最中だから、それはある意味仕方ない。けど、静香があまり考えられないこんな時だから……出来る質問もあるわけで。
「花姫、起動させないんですか?」
私の質問は想定の範囲内だったんだろう。静香の作業する手は、止まる気配も見せなかった。
花姫が戻ってきて、既に半月近くが過ぎている。コーティングはとうの昔に乾いているし、部屋だってちゃんと片付けた。収納の奥に押し込んであった花姫の本来の装備も、ビス一本に至るまで手入れ済だ。
なのに、花姫は起動用ケースに入ったまま、机の隅に飾ってあるだけだ。
「……ココは、どう思う?」
「私……ですか」
正直、静香の気持ちも分からないではない。姿形は同じでも、今度起動した花姫は、静香の知っている花姫じゃないだろうから。
でも。
「起動させて欲しいです」
私は、私としてその言葉を選んだ。
「クウガとして死んだ私が、ココとして静香に出会えたみたいに……」
私に、クウガだった頃の記憶は残っていない。彼女の望みで全てを消してしまったからだと、先代マスターの武井さんから聞いていた。
あの雨の秋葉原。クウガではなく、ココとして再会したあの日。武井さんには嫌な思いをさせてしまったはずだ。けど、そうなる事を分かっていてなお、私は彼女の幸せ……起動される事を望んでいた。
たぶん、私の内にあるアシモフ・プロテクトにはバグが紛れ込んでいるはずだ。第一原則に従えば、マスターである静香の心を傷付ける提言なんか出来ないはずだから。
「そっか……」
静香は、作業の手を止めることなく、そう呟くだけ。
魔女っ子神姫ドキドキハウリン
その23
「で、何作ってるんです?」
精密工作用の小型ケースを眺めながら、私は静香にそう聞いた。
神姫やその武装は、最先端の精密機械だ。簡単なチェックやパーツ交換程度ならドライバー一本あれば事足りるけど、内部の細かい場所をいじるとなるとそうもいかない。
その時に活躍するのが、箱の内側に精密アームを内蔵したこの工作ケース。以前バスターウルフが壊れてゴルドさんに直してもらった後、静香が買ってきたものだ。
これの中身も新しい武器かツールなんだろうけど、工作ケースは完全密閉型。中の正体は分からない。
「んー。こないだ買ったアレのユーザー登録したら、テスター募集の案内が来たのよね……」
「アレって……?」
鳳凰カップで買ってきた、東杜田技研のポケットスタイルHDですか?
「ほら。國崎技研の」
その名に、私は言葉を失った。
「ちょっと! アレって、アレですか!?」
私が知る限り、静香が最近買ったあそこの商品といえばただ一つ。『赤ずきんちゃんご用心』しかない。
そりゃ、工業製品だからユーザー登録はあるでしょうけど……!
「感想の所に、結構使えたけど、やっぱり女の子向けのも欲しいですって書いといたのが効いたのかしらねぇ? なんか、他にも送ってくれるみたいなこと書いてあったけど……」
「ちょっ!」
そんな、静香の異常性癖を社会に公開しないでくださいよっ!
「個人情報うるさいから、平気よきっと」
そんなもんじゃないでしょ……。
あと人の考え読まないでくださいよ。まったくもぅ。
「でーきたっ」
私の言葉を聞き入れる気配もなく、静香は工作ケースから何かを取り出した。
流石に気になったので、私も静香の肩から机の上へ飛び降りる。机の上に爪先が触れ、ショックを逃がそうと膝に意識を集中させた、その瞬間。
「ひ……っ!」
私の膝がかくりと折れて、私はそのまま机の上に倒れ込んだ。
精密工作用の小型ケースを眺めながら、私は静香にそう聞いた。
神姫やその武装は、最先端の精密機械だ。簡単なチェックやパーツ交換程度ならドライバー一本あれば事足りるけど、内部の細かい場所をいじるとなるとそうもいかない。
その時に活躍するのが、箱の内側に精密アームを内蔵したこの工作ケース。以前バスターウルフが壊れてゴルドさんに直してもらった後、静香が買ってきたものだ。
これの中身も新しい武器かツールなんだろうけど、工作ケースは完全密閉型。中の正体は分からない。
「んー。こないだ買ったアレのユーザー登録したら、テスター募集の案内が来たのよね……」
「アレって……?」
鳳凰カップで買ってきた、東杜田技研のポケットスタイルHDですか?
「ほら。國崎技研の」
その名に、私は言葉を失った。
「ちょっと! アレって、アレですか!?」
私が知る限り、静香が最近買ったあそこの商品といえばただ一つ。『赤ずきんちゃんご用心』しかない。
そりゃ、工業製品だからユーザー登録はあるでしょうけど……!
「感想の所に、結構使えたけど、やっぱり女の子向けのも欲しいですって書いといたのが効いたのかしらねぇ? なんか、他にも送ってくれるみたいなこと書いてあったけど……」
「ちょっ!」
そんな、静香の異常性癖を社会に公開しないでくださいよっ!
「個人情報うるさいから、平気よきっと」
そんなもんじゃないでしょ……。
あと人の考え読まないでくださいよ。まったくもぅ。
「でーきたっ」
私の言葉を聞き入れる気配もなく、静香は工作ケースから何かを取り出した。
流石に気になったので、私も静香の肩から机の上へ飛び降りる。机の上に爪先が触れ、ショックを逃がそうと膝に意識を集中させた、その瞬間。
「ひ……っ!」
私の膝がかくりと折れて、私はそのまま机の上に倒れ込んだ。
「し……ずかぁ……っ」
全身に、力が入らない。一瞬ウィルスかとも思ったけど、その類の反応はどこにも感じられなかった。
体が動かないだけで、意識もハッキリしたまま。慌ててシステムをチェックすれば……。
「え……? 何、これぇ……?」
獣王から要求されたシステムリソースが、私の全リソースの半分をゆうに超えていた。
獣王達ぷちマスィーンズは簡易AIを内蔵してるけど、単体で処理しきれない情報は、本体である私達神姫のシステムを使って対応する。でも、フェザーのオーバートップやバスターウルフの時でさえ、それは全リソースの三パーセントにも満たない……はずなんだけど。
一体どんなオプションを使ったら、こんな無茶な要求が出来るわけ……?
「あー。やっぱ、無理があったかぁ」
机の上に崩れ落ちたままの私を見て、静香は軽く肩をすくめるだけ。
「何やったんですか……ぁ」
「いや、ちょっと獣王に新装備を」
静香が工作ケースから取り出したのは、いつも通りのタチコマユニットを付けた獣王だった。ただ、背部のポッドが外されていて。
「……ふぇ?」
代わりに付けられていたのは、神姫用の背部武装。
箱形のバックパックから伸びる、十本のチューブ状のフレキシブルアーム。触手、だ。
「ひぁぁっ!」
そのうちの一本がしゅるりと伸びて、私の足首に絡み付いた。ぐいと引かれる感触と共に、それは私を引き寄せようとするけど、さすがに一本では力が足りないらしい。
「あふ……ぅ……っ!」
より強烈な脱力感と同時に、二本目が足、三本目が太腿に絡み付いてきた。私の抵抗を奪うと同時に三倍の力を得たそれは、倒れたままの私をゆっくりと引き寄せようとする。
「ぁ……いや……ぁ……」
引きずられていく机の上。スカートは捲れあがり、上着もかなり上に滑って胸元まで丸見えだ。恥ずかしいけど、その乱れた服を直す力さえ、私には残されていない。
「どう? ココ」
「どぅ……って……ぇ……ぇぁ……」
四本目にリソースを吸い上げられて、私は言葉を紡ぐことさえ出来なくなっている。今の私に出来ることは、考えることと、首から上をかすかに動かすことの二つだけ。
視線を下に送ってみれば、四本目の触手が、めくれあがったスカートの中に伸びていくのが見えた。先端の太い箇所が開いて、五本の指が現われている。
「ふあぁぁ…………ぁんっ!」
ショーツの上から、細い指で撫で上げられた。
な、何で……こんなに、上手いのっ!?
「ひっ、ぁ、うっ……あぅぅ……っ!」
太腿に絡んでいた触手も先端を開き、私のショーツを二本の指で嬲り始めた。直線的な四本目とは対照的に、気持ちいい処を円を描くように責め立ててくる。
「やぁ、だめっ、そこ、感じ……ッ!」
ショーツの下が気持ちいいだけじゃない。体中に絡んだ触手はゆっくりと蠕動運動をして、私の全身を撫で回してくる。
もう引き寄せる意味がなくなったからだろう。足首や足を掴んでいた触手も、今は胸元やおなかに絡み付いてさざ波のような愛撫を始めている。
「さっすが獣王ねぇ。ココとリンクしてるから、気持ちいい所ぜんぶお見通しだわ」
「ふぇぇ……?」
おなかをこすり上げられながら、おっぱいを揉み潰されて。尖った先端をつままれるのが……気持ち、いい?
「気持ちいいんでしょ? ココ」
「ぇあ……は、ぁ……」
ぱくぱくと開閉を繰り返すだけの口。
気持ち良くなんかない。
気持ち良くなんか……。
「むぐぅっ!」
言葉も紡げなくなったそこに押し込まれるのは、さっきまでショーツの上を丸く攻めていた、触手の指先だった。
「はぁ……ぁむ…くちゅ……ちゅ、ぷ……」
口の中に這入ったそれに、私は自然と舌を絡め、甘く甘く舐めねぶる。
「ぁは、ちゅぱ……ぷは……ぁ」
たっぷりと潤滑液が絡み付いた所で引き抜かれる指。
「ぇ、ぁ……」
もっと……。
……え?
私、今……なんて?
「んぶぅ……」
声に出しかけた言葉の意味を考え直すよりも早く、今度はショーツを縦に嬲っていた指が口の中を蹂躙する。
待ち望んでいたそれに、私の舌が勝手に絡み付く。
「はむ、ぷちゅ、ちゅぱ……ぁふ……ひぁぁぁんっ!」
同時に来る、ショーツの上からの淡い陵辱。乳首を弾かれるタイミングと重ねられ、悲鳴のオクターブが一つ上がってしまう。
「じ……ぅぉ……っ!」
誰よりも私を知っている、私の分身。
誰よりも私を知っていながら、私自身ではない存在。
私の一番感じやすい所を、一番して欲しい触り方で、一番優しく犯してくれる。
だから……。
だから、ぁ。
「んぅっ……」
私の口から、唾液に濡れた指先が引き抜かれた。
それを……それを、ね。
潤滑液に濡れそぼったショーツの陰部を優しく責め立てながら、獣王は触手を器用に使い、ショーツだけをずり下げていく。
「はひぃ……」
脱げていくショーツを指先を器用に入れ替えてかわしながら、獣王の指先は私の秘部への陵辱を止めることがない。
「じゅぅ……ぉ……」
分かる、よね?
声にならない私の想いに、表情がないはずの獣王が、優しく笑ったように見えた。
「ひああああああああっ!」
触手が腰に絡み付き、先端が二つの穴に同時に押し這入る。ビクンと弾んだ私の肢体は、両胸とおなかを責める触手に押し付けられて、机の上で暴れることも許されない。
静香に改造された体が、静香でも、十貴でも、ジルでもないモノに弄ばれている。
でもそれは、私の一番気持ちいいところを犯してくれていて。でも、でも……!
「しず……か……しずか、ぁ……」
両方の穴を貫かれながら、私は愛しいその名を呼んだ。
「なぁに?」
ずっと私を見ていた彼女は、声にならない声にも優しく答えてくれた。
その声だけで、今の私は絶頂を迎えそうになる。
でも、まだ……っ。
「ぃひ…ぃっ……しずかぁ……ひぁっ、わらひ、えっち……れすかぁ……? かわい、ぇすかぁ……?」
システムリソースの八割を触手に侵されながら、私は必死に言葉を紡ぐ。
「ええ……。すっごく、可愛いわよ」
マスターは私の問い掛けに、艶っぽく微笑んでくれて。
机の下に入れていた手を、私に見せてくれた。
「だから、こんなに濡れちゃった……」
指先をそっと開けば、とろりとした粘液がきらきらと糸を曳いていく。
ああ。
ああ……っ!
「そぇ…わらひ……れぇ?」
「そ。ココがあんまりエッチだから、ね?」
静香は私の耳元に指を寄せ、指先の粘る音をたっぷりと聞かせてくれた。その淫らな音に、断ち切れそうになる自分の感情を必死で抑えつける。
「しず……しずかの、ほし……ほひぃ、のぉ……ほひぃのぉぉ!」
「あらあら。欲張りさんねぇ」
私のおねだりに、静香はくすくす笑いながら。
快楽の証に汚れた指先で、私の唇に触れてくれて。
「こうかしら?」
触手の押し入った股間まで、指を一気に滑らせた!
ああっ! それですっ!
「ひぁっ! あ、ぁぁぁああぁあぁぁああぁんっ!」
静香のたっぷりの愛情と最高の快楽を一身に受けながら。
私は、心からの悦びを絶叫に置き換えた。
全身に、力が入らない。一瞬ウィルスかとも思ったけど、その類の反応はどこにも感じられなかった。
体が動かないだけで、意識もハッキリしたまま。慌ててシステムをチェックすれば……。
「え……? 何、これぇ……?」
獣王から要求されたシステムリソースが、私の全リソースの半分をゆうに超えていた。
獣王達ぷちマスィーンズは簡易AIを内蔵してるけど、単体で処理しきれない情報は、本体である私達神姫のシステムを使って対応する。でも、フェザーのオーバートップやバスターウルフの時でさえ、それは全リソースの三パーセントにも満たない……はずなんだけど。
一体どんなオプションを使ったら、こんな無茶な要求が出来るわけ……?
「あー。やっぱ、無理があったかぁ」
机の上に崩れ落ちたままの私を見て、静香は軽く肩をすくめるだけ。
「何やったんですか……ぁ」
「いや、ちょっと獣王に新装備を」
静香が工作ケースから取り出したのは、いつも通りのタチコマユニットを付けた獣王だった。ただ、背部のポッドが外されていて。
「……ふぇ?」
代わりに付けられていたのは、神姫用の背部武装。
箱形のバックパックから伸びる、十本のチューブ状のフレキシブルアーム。触手、だ。
「ひぁぁっ!」
そのうちの一本がしゅるりと伸びて、私の足首に絡み付いた。ぐいと引かれる感触と共に、それは私を引き寄せようとするけど、さすがに一本では力が足りないらしい。
「あふ……ぅ……っ!」
より強烈な脱力感と同時に、二本目が足、三本目が太腿に絡み付いてきた。私の抵抗を奪うと同時に三倍の力を得たそれは、倒れたままの私をゆっくりと引き寄せようとする。
「ぁ……いや……ぁ……」
引きずられていく机の上。スカートは捲れあがり、上着もかなり上に滑って胸元まで丸見えだ。恥ずかしいけど、その乱れた服を直す力さえ、私には残されていない。
「どう? ココ」
「どぅ……って……ぇ……ぇぁ……」
四本目にリソースを吸い上げられて、私は言葉を紡ぐことさえ出来なくなっている。今の私に出来ることは、考えることと、首から上をかすかに動かすことの二つだけ。
視線を下に送ってみれば、四本目の触手が、めくれあがったスカートの中に伸びていくのが見えた。先端の太い箇所が開いて、五本の指が現われている。
「ふあぁぁ…………ぁんっ!」
ショーツの上から、細い指で撫で上げられた。
な、何で……こんなに、上手いのっ!?
「ひっ、ぁ、うっ……あぅぅ……っ!」
太腿に絡んでいた触手も先端を開き、私のショーツを二本の指で嬲り始めた。直線的な四本目とは対照的に、気持ちいい処を円を描くように責め立ててくる。
「やぁ、だめっ、そこ、感じ……ッ!」
ショーツの下が気持ちいいだけじゃない。体中に絡んだ触手はゆっくりと蠕動運動をして、私の全身を撫で回してくる。
もう引き寄せる意味がなくなったからだろう。足首や足を掴んでいた触手も、今は胸元やおなかに絡み付いてさざ波のような愛撫を始めている。
「さっすが獣王ねぇ。ココとリンクしてるから、気持ちいい所ぜんぶお見通しだわ」
「ふぇぇ……?」
おなかをこすり上げられながら、おっぱいを揉み潰されて。尖った先端をつままれるのが……気持ち、いい?
「気持ちいいんでしょ? ココ」
「ぇあ……は、ぁ……」
ぱくぱくと開閉を繰り返すだけの口。
気持ち良くなんかない。
気持ち良くなんか……。
「むぐぅっ!」
言葉も紡げなくなったそこに押し込まれるのは、さっきまでショーツの上を丸く攻めていた、触手の指先だった。
「はぁ……ぁむ…くちゅ……ちゅ、ぷ……」
口の中に這入ったそれに、私は自然と舌を絡め、甘く甘く舐めねぶる。
「ぁは、ちゅぱ……ぷは……ぁ」
たっぷりと潤滑液が絡み付いた所で引き抜かれる指。
「ぇ、ぁ……」
もっと……。
……え?
私、今……なんて?
「んぶぅ……」
声に出しかけた言葉の意味を考え直すよりも早く、今度はショーツを縦に嬲っていた指が口の中を蹂躙する。
待ち望んでいたそれに、私の舌が勝手に絡み付く。
「はむ、ぷちゅ、ちゅぱ……ぁふ……ひぁぁぁんっ!」
同時に来る、ショーツの上からの淡い陵辱。乳首を弾かれるタイミングと重ねられ、悲鳴のオクターブが一つ上がってしまう。
「じ……ぅぉ……っ!」
誰よりも私を知っている、私の分身。
誰よりも私を知っていながら、私自身ではない存在。
私の一番感じやすい所を、一番して欲しい触り方で、一番優しく犯してくれる。
だから……。
だから、ぁ。
「んぅっ……」
私の口から、唾液に濡れた指先が引き抜かれた。
それを……それを、ね。
潤滑液に濡れそぼったショーツの陰部を優しく責め立てながら、獣王は触手を器用に使い、ショーツだけをずり下げていく。
「はひぃ……」
脱げていくショーツを指先を器用に入れ替えてかわしながら、獣王の指先は私の秘部への陵辱を止めることがない。
「じゅぅ……ぉ……」
分かる、よね?
声にならない私の想いに、表情がないはずの獣王が、優しく笑ったように見えた。
「ひああああああああっ!」
触手が腰に絡み付き、先端が二つの穴に同時に押し這入る。ビクンと弾んだ私の肢体は、両胸とおなかを責める触手に押し付けられて、机の上で暴れることも許されない。
静香に改造された体が、静香でも、十貴でも、ジルでもないモノに弄ばれている。
でもそれは、私の一番気持ちいいところを犯してくれていて。でも、でも……!
「しず……か……しずか、ぁ……」
両方の穴を貫かれながら、私は愛しいその名を呼んだ。
「なぁに?」
ずっと私を見ていた彼女は、声にならない声にも優しく答えてくれた。
その声だけで、今の私は絶頂を迎えそうになる。
でも、まだ……っ。
「ぃひ…ぃっ……しずかぁ……ひぁっ、わらひ、えっち……れすかぁ……? かわい、ぇすかぁ……?」
システムリソースの八割を触手に侵されながら、私は必死に言葉を紡ぐ。
「ええ……。すっごく、可愛いわよ」
マスターは私の問い掛けに、艶っぽく微笑んでくれて。
机の下に入れていた手を、私に見せてくれた。
「だから、こんなに濡れちゃった……」
指先をそっと開けば、とろりとした粘液がきらきらと糸を曳いていく。
ああ。
ああ……っ!
「そぇ…わらひ……れぇ?」
「そ。ココがあんまりエッチだから、ね?」
静香は私の耳元に指を寄せ、指先の粘る音をたっぷりと聞かせてくれた。その淫らな音に、断ち切れそうになる自分の感情を必死で抑えつける。
「しず……しずかの、ほし……ほひぃ、のぉ……ほひぃのぉぉ!」
「あらあら。欲張りさんねぇ」
私のおねだりに、静香はくすくす笑いながら。
快楽の証に汚れた指先で、私の唇に触れてくれて。
「こうかしら?」
触手の押し入った股間まで、指を一気に滑らせた!
ああっ! それですっ!
「ひぁっ! あ、ぁぁぁああぁあぁぁああぁんっ!」
静香のたっぷりの愛情と最高の快楽を一身に受けながら。
私は、心からの悦びを絶叫に置き換えた。
まだ、体がヒクヒクいっている。
「どうだった? ココ」
「ぁ……ひぁ………ぅ……」
既に獣王の触手は止まり、私に掛かる負担もすっかり消えていた。とはいえ、さっきの絶頂の余韻がすぐに消えるワケじゃない。
「ぁ、は、ぁ……ぁい」
まだ言葉を形に出来ない私に、静香は優しく苦笑い。
「もぅ、しょうがないわねぇ……。お風呂の支度してあげるから、そこで寝てなさい」
静香が部屋を出ていく音を聞きながら、獣王の触手を一本だけ起動。獣王自身もだいぶ処理に慣れてきたのか、さっきみたいなとんでもない負荷は掛かってこない。
「ぁふ……」
まだかすかにヒクつく股間を優しく撫で上げれば、口から漏れるのは甘い声。さっきまでの荒々しさはないけど、逆にそれが、疲れ切った私の体にちょうど良い快楽を与えてくれた。
ああ、これ、クセになりそう……。
「はぁ……」
ちょっぴり寂しく思いながら、獣王の触手を元に戻す。ついでに接続そのものをカットして、これ以上私の指示が届かないようにしておくのを忘れない。
「ぁ……」
お風呂の支度はもう少しかかるだろう。それまでに、オーバーヒートしたシステムを復旧させておかないと。
そう思いながら、瞳を閉じて。
「ねぇ……」
あれ? 声?
「ぁ……は、ぃ……」
静香だろうか。お風呂の支度には随分と早い気がするけど、まだ私の体は本調子では動かない。
「…………」
聞き取れない声に、判別しきれない信号が重なり合う。静香たち人間じゃない、神姫の声だ。
そしてこの信号内容はジルでもない。
「はな……ひめ……?」
ふと、浮かんだ名前を口にして。
「うん!」
返ってきたのは静香の声でもジルの声でもなく、抱き付いてくる神姫の体の感触だった。
「ひぁっ!」
開いた瞳に映るのは。
「……よろしくね! マスター!」
満面の笑みを浮かべたアーンヴァル……花姫の顔だった。
「どうだった? ココ」
「ぁ……ひぁ………ぅ……」
既に獣王の触手は止まり、私に掛かる負担もすっかり消えていた。とはいえ、さっきの絶頂の余韻がすぐに消えるワケじゃない。
「ぁ、は、ぁ……ぁい」
まだ言葉を形に出来ない私に、静香は優しく苦笑い。
「もぅ、しょうがないわねぇ……。お風呂の支度してあげるから、そこで寝てなさい」
静香が部屋を出ていく音を聞きながら、獣王の触手を一本だけ起動。獣王自身もだいぶ処理に慣れてきたのか、さっきみたいなとんでもない負荷は掛かってこない。
「ぁふ……」
まだかすかにヒクつく股間を優しく撫で上げれば、口から漏れるのは甘い声。さっきまでの荒々しさはないけど、逆にそれが、疲れ切った私の体にちょうど良い快楽を与えてくれた。
ああ、これ、クセになりそう……。
「はぁ……」
ちょっぴり寂しく思いながら、獣王の触手を元に戻す。ついでに接続そのものをカットして、これ以上私の指示が届かないようにしておくのを忘れない。
「ぁ……」
お風呂の支度はもう少しかかるだろう。それまでに、オーバーヒートしたシステムを復旧させておかないと。
そう思いながら、瞳を閉じて。
「ねぇ……」
あれ? 声?
「ぁ……は、ぃ……」
静香だろうか。お風呂の支度には随分と早い気がするけど、まだ私の体は本調子では動かない。
「…………」
聞き取れない声に、判別しきれない信号が重なり合う。静香たち人間じゃない、神姫の声だ。
そしてこの信号内容はジルでもない。
「はな……ひめ……?」
ふと、浮かんだ名前を口にして。
「うん!」
返ってきたのは静香の声でもジルの声でもなく、抱き付いてくる神姫の体の感触だった。
「ひぁっ!」
開いた瞳に映るのは。
「……よろしくね! マスター!」
満面の笑みを浮かべたアーンヴァル……花姫の顔だった。