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*Management of cirrhosis and ascitis (NEJM 2004;350 1646-54)
【病態生理】
・腹水は肝硬変の最もmajorな合併症。腹水で問題なのはQOLの低下・感染/腎不全のriskの上昇がある。
・腹水のできる主な原因は腹腔神経による血管拡張作用。肝硬変→門脈圧亢進→局所的な血管拡張因子(主にはnitric oxide/)の放出→腹腔神経由来の動脈拡張 となる。
↓
生理的な反応としてvasoconstrictor/antinatriuretic factorsodium
& fluid retentionが起こる。
↓
腸管の毛細血管圧の亢進して腹腔内腔にfluid貯留。
【評価】
・腹水のある患者は肝機能のみではなく、腎機能・循環に関する考察も必要。
・新規発症の腹水は[[SBP]]をr/oするため、入院すべきかどうか、特に感染兆候・腹痛・脳炎・消化管出血の兆候のある患者においては特に検査されるべきである。
(肝移植に関して)
腹水の出現はその5年生存率30-40%という悪さのために一般的には肝移植が考慮される(肝移植をすると5年生存率70-80%)。
・予後不良因子は…
治療抵抗性の腹水
[[SBP]]
[[Hepatorenal syn]]
がある。これらの内1つでもある患者はアメリカでは優先的に肝移植が行われる。
【管理】
・利尿薬に抵抗性の、もしくはほとんど反応しないsodium retentionのある患者においては経口のNa摂取の制限は有効。[[具体的は60-90mEqに。これ以上の制限はあまり意味がない為に推奨されていない。]]
・水分の摂取に関しては希釈性の低Na血症(Na<130mEq)が認められる患者のみに必要。
《腹水のある患者に対して注意すること。》
[[SBP]]
gastrointestinal bleeding due to varices
[[hepatorenal syndrome]]
・一般的には腹水のあるだけなら外来で管理できる。入院が必要なのはそれ以外の合併症が現れたとき。普通は腹水だけなら少量の利尿薬のみで管理できる。
・利尿薬は…
●spironolactone(50 to 200mg /day)
●amiloride(5 to 10mg/day)
のどちらか。
±furosemide(20 to 40 mg/day Na利尿をつける為に最初の数日間。特に末梢浮腫+の時)
★理想的な体重減少量(腎不全を防ぐ為に)は
末梢性浮腫+ = 800g-1000g/day
末梢性浮腫- = 300g-500g/day
・利尿薬使用時の慢性的な尿化学提出は必要なし。但し、利尿薬に反応しないときには提出して、利尿薬の増量を考慮する。
・大量腹水のある患者は一般的にsevereなNa過多がある。(尿中Na<10mEq程度までに)
◆大量腹水の患者のmanagementの仕方には2通りある。
①腹水穿刺
②利尿剤の処方(spironolactone400mg・furosemide160mg/dayが極量)
である。この2つのどちらが良いかに関してはlong-term mortalityに有意差なし。ただ、即効性・効果・(頻度は少ないが)利尿薬のいくつかの副作用から考えて①が望ましい。
・たとえ穿刺しても腹水の再発を防ぐためには利尿薬の投薬が必要となる。
・血漿増補液の使用なしでの大量腹水のdrawingは…
-有効血漿量の減少→腹水の再発・[[Hepatorenal syn]]・希釈性低Na血症が20%に
→生存期間の短縮.
-抗Na利尿因子の放出→
に関係してくる。
これらの合併症の予防にplasma expanderは有効。plasma expanderならAlbでもdextrane70でもどっちでもRCTで有意差なし。(5L以上腹水を抜く場合。)
確かにAlbの使用に関してはそのcost・はっきりした生存率の改善の記載はないことからcontroversialではあるが、大量腹水穿刺に関してはAlbが他のvolume expanderに比して有効であろう。
◆治療抵抗性の腹水に関して◆
・定義は「spironolactone400mg・furosemide160mg/dayに反応しない腹水」
・頻回の腹水穿刺の合併症としてあげられるのは[[type 1 hepatorenal syn.]]である。
再発性難治性腹水に関しての一般的な治療法は
ⅰ.plasma expander併用の腹水頻回穿刺
ⅱ.腹腔静脈シャント(transjagurlar intrahepatic portosystemic shunt)
である。
ただ、ⅱに関しては6-12ヶ月で75%がshunt stenosisを起こすことから推奨されない。
現在の主流はⅰ。
*Management of cirrhosis and ascitis (NEJM 2004;350 1646-54)
【病態生理】
・腹水は肝硬変の最もmajorな合併症。腹水で問題なのはQOLの低下・感染/腎不全のriskの上昇がある。
・腹水のできる主な原因は腹腔神経による血管拡張作用。肝硬変→門脈圧亢進→局所的な血管拡張因子(主にはnitric oxide/)の放出→腹腔神経由来の動脈拡張 となる。
↓
生理的な反応としてvasoconstrictor/antinatriuretic factorsodium
& fluid retentionが起こる。
↓
腸管の毛細血管圧の亢進して腹腔内腔にfluid貯留。
【評価】
・腹水のある患者は肝機能のみではなく、腎機能・循環に関する考察も必要。
・新規発症の腹水は[[SBP]]をr/oするため、入院すべきかどうか、特に感染兆候・腹痛・脳炎・消化管出血の兆候のある患者においては特に検査されるべきである。
(肝移植に関して)
腹水の出現はその5年生存率30-40%という悪さのために一般的には肝移植が考慮される(肝移植をすると5年生存率70-80%)。
・予後不良因子は…
治療抵抗性の腹水
[[SBP]]
[[Hepatorenal syn]]
がある。これらの内1つでもある患者はアメリカでは優先的に肝移植が行われる。
【管理】
・利尿薬に抵抗性の、もしくはほとんど反応しないsodium retentionのある患者においては経口のNa摂取の制限は有効。[[具体的は60-90mEqに。これ以上の制限はあまり意味がない為に推奨されていない。]]
・水分の摂取に関しては希釈性の低Na血症(Na<130mEq)が認められる患者のみに必要。
《腹水のある患者に対して注意すること。》
[[SBP]]
gastrointestinal bleeding due to varices
[[Hepatorenal syn]]
・一般的には腹水のあるだけなら外来で管理できる。入院が必要なのはそれ以外の合併症が現れたとき。普通は腹水だけなら少量の利尿薬のみで管理できる。
・利尿薬は…
●spironolactone(50 to 200mg /day)
●amiloride(5 to 10mg/day)
のどちらか。
±furosemide(20 to 40 mg/day Na利尿をつける為に最初の数日間。特に末梢浮腫+の時)
★理想的な体重減少量(腎不全を防ぐ為に)は
末梢性浮腫+ = 800g-1000g/day
末梢性浮腫- = 300g-500g/day
・利尿薬使用時の慢性的な尿化学提出は必要なし。但し、利尿薬に反応しないときには提出して、利尿薬の増量を考慮する。
・大量腹水のある患者は一般的にsevereなNa過多がある。(尿中Na<10mEq程度までに)
◆大量腹水の患者のmanagementの仕方には2通りある。
①腹水穿刺
②利尿剤の処方(spironolactone400mg・furosemide160mg/dayが極量)
である。この2つのどちらが良いかに関してはlong-term mortalityに有意差なし。ただ、即効性・効果・(頻度は少ないが)利尿薬のいくつかの副作用から考えて①が望ましい。
・たとえ穿刺しても腹水の再発を防ぐためには利尿薬の投薬が必要となる。
・血漿増補液の使用なしでの大量腹水のdrawingは…
-有効血漿量の減少→腹水の再発・[[Hepatorenal syn]]・希釈性低Na血症が20%に
→生存期間の短縮.
-抗Na利尿因子の放出→
に関係してくる。
これらの合併症の予防にplasma expanderは有効。plasma expanderならAlbでもdextrane70でもどっちでもRCTで有意差なし。(5L以上腹水を抜く場合。)
確かにAlbの使用に関してはそのcost・はっきりした生存率の改善の記載はないことからcontroversialではあるが、大量腹水穿刺に関してはAlbが他のvolume expanderに比して有効であろう。
◆治療抵抗性の腹水に関して◆
・定義は「spironolactone400mg・furosemide160mg/dayに反応しない腹水」
・頻回の腹水穿刺の合併症としてあげられるのは[[type 1 hepatorenal syn.]]である。
再発性難治性腹水に関しての一般的な治療法は
ⅰ.plasma expander併用の腹水頻回穿刺
ⅱ.腹腔静脈シャント(transjagurlar intrahepatic portosystemic shunt)
である。
ただ、ⅱに関しては6-12ヶ月で75%がshunt stenosisを起こすことから推奨されない。
現在の主流はⅰ。